GW中の3日、東名高速下り線の海老名ジャンクションから秦野中井インターの区間を撮影

 ゴールデンウイーク(GW)期間中、各地へ行楽に出かけるも、高速道路の渋滞でげんなりしたという人も多いだろう。急ぐあまり、ついつい右側の追い越し車線に入りがちだが、意外にも左の走行車線の方がスムーズに流れているということも……。ある日の高速道路の様子を“検証”した動画がネット上で話題を呼んでいる。長距離トラックのドライバーで投稿者のぞの@へっぽこ運ちゃんの旅々(@zono_suke)さんに話を聞いた。

「左車線はなかなか面白い」

 GW真っただ中の今月3日、東名高速下り線の海老名ジャンクションから秦野中井インターの区間を撮影したドライブレコーダー映像。左車線を走行中に渋滞にさしかかるも、適切な車間距離を維持したまま混み合う右車線の車を次々と追い越し、渋滞を抜けるまでの様子が収められている。動画には「連休いつもの渋滞…」「よくある左側無双パターン!?」「なんか無双すぎて段々申し訳なくなってくるな…笑」といったキャプションが添えられている。

 投稿者は業界歴20年弱という職業ドライバーのぞのさん。近年、ネット上であおり運転や危険行為をさらす内容の過激動画があふれる中、交通マナーの見本や安全啓発につながるような前向きな内容をモットーに動画を公開している。今回の動画は、適切な車間距離を保ったほうが渋滞をより早く抜けられるという分かりやすい実例として投稿したという。

「後続の乗用車も十分に車間を取っていてくれていたので、左車線の流れに関しては全体的に終始スムーズだったように思います。渋滞の原因はよく言われているように道路のサグ部(下り坂から上り坂へさしかかるときの凹部分)やトンネル手前、路肩などの狭あい(主に幅員4メートル未満の狭い道路)区間手前での無意識の減速、交通集中や全体的な車間の詰めすぎによるものです。

 これは持論ですが、渋滞が始まってしまえば詰まってる最後尾もまた一種の渋滞の一因。年末年始や連休中は普段車の運転に慣れてない人が多いですが、渋滞に追いついた後続車がしっかりと車間距離を空けることが結果的に渋滞解消につながると思い、投稿しました」

 投稿は1800件を超えるリポスト、8000件超の“いいね”が寄せられるなど話題に。「左車線最強ですね」「あるあるですねー」「サンデードライバーの密度が高いときになりがちですよね」「強引に合流して前に来た黒い車が、早速右車線に入ってすぐに追い抜かれてるのが滑稽で面白い。右車線=左車線より早いみたいな先入観があるんでしょう」「追越車線を走らないと気が済まない病気の人多過ぎ」といった、共感の声が多数寄せられている。

 一連の反響について、「正直、意外と好感を持ってくれる方や理解してくださる方が多いことにびっくりしました。今は亡き上司から、車間距離に関しては口酸っぱく言われていたのと、今でも先輩等から運転に関してたまに指摘をいただいたりと、まぁまだまだ運転に関しても学び極めるべきところが多いのかなぁと思ったりします」とぞのさん。プロの熟練ドライバーも勧めるように、渋滞では車間距離をしっかり取り、「急がば回れ」で走りたいところだ。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム