結成19年目で“漫才師のセカンドチャンス”を掴む

 結成16年以上の漫才師による賞レース『THE SECOND〜漫才トーナメント〜』で2代目チャンピオンに輝いたガクテンソクが大会終了後、優勝会見に登壇。“漫才師のセカンドチャンス”をつかんだ喜びを語った。

 ボケのよじょう、ツッコミの奥田修二からなるコンビ・ガクテンソクは、2005年9月に結成(19年目)。昨年はベスト32まで勝ち進んだが、マシンガンズに敗れて、グランプリファイナルを前に姿を消した。

 優勝直後に会見場に駆け付けた奥田は、「まだ実感がなくて、あとネタ2本くらいせなアカンみたいなテンションです。もう2ステージくらい待っているんじゃないか? という感覚があります」と心境を吐露。よじょうは「こんなにLINEが来るんやなと思いました。300くらい来ていました」と優勝の反響に驚いた。

 会見前、両親に優勝を報告したという奥田は「すごい喜んでくれていた。近所方々に言って回るとお母さんが優しい口調で言っていました」と笑顔。よじょうは「奥さんから(連絡が)来ているかと思ったら、LINEのスタンプが一個だけ、『祝』というのが来ていました」と最愛の妻からの反応を明かした。

 優勝賞金1000万円の使い道については、奥田が「まったく考えていなかった。お金のことは本当によぎらなくて、1000万円が無かったとしても、優勝後の収入はフジテレビさんが請け負ってもらえると信じています」と切実な訴え。ネタにもなった国分寺在住のよじょうは「賞金獲得で国分寺を出る予定は?」という質問に、「ここ一年くらいはいようかなと」と控えめな回答をしたが、奥田が「国分寺のネタであんだけウケさせていただいたんやから、骨埋めますくらい(言ってほしい)。責任もって僕が国分寺から出させません」と断言した。

 グランプリファイナルで披露したネタについては、よじょうが「一番最初にやったやつ(vsラフ次元のネタ)は、やらんとこうと言っていた」と話し、奥田が「金属バットがすごくいい点で勝ったので、1本目にやろうとしていたネタがないと勝っても金属バットと戦えないと思った。ラフ次元戦でやったネタはめっちゃ怖かったんですけど、今日一個もネタ合わせしていなかったネタにした」と補足。「ドキドキしましたけど、そこに勝てたのが大きかったです。ネタ合わせしなかったせいか、普段よりちょっと良かったです」と裏話を披露した。

 M-1グランプリでは思うような結果を残せず出場資格を失ったが、THE SECONDの舞台で栄冠を獲得。奥田は今大会の雰囲気について、「コアなお笑いファン、お笑い芸人とスタッフさんが大注目してくれている。M-1はいろんな人がワ―ッ! となっている(反応がある)イメージがあるけど、僕たちは通な人に見ていただいているという感じがある。これがSECONDのうれしさ」と語った。

 ネタ時間6分というルールについての質問には、奥田が「やっている側からすると絶妙におもろいです」と即答。「M-1は4分で短距離走なんです。短距離走の人ってムキムキ、中・長距離の方って体細いじゃないですか、スポーツが違う。(THE SECONDは)絶対に息継ぎがいる。M1みたいに6分やっちゃうと、あの量を見るのはお客さんがしんどい。どこで息継ぎをネタに入れるかとか、いろいろ考えることができるのですごい楽しいです」と熱弁した。

 昨年のベスト32敗退から優勝を飾り、よじょうは勝因を聞かれ「去年、早めに負けたので、ネタのストックはあり、選べる状態にあった」と告白。「だから直前に、このネタやる予定なかったけど、やろうとかもできた。上まで行って負けたら去年のネタは使えない。ネタ数に余裕があったのはでかいです」と分析した。

 生放送のあおりVTRで明かされた解散危機については、奥田が「僕たちはM-1に出るためにコンビを組んで、baseよしもとという劇場に所属する、この2つが夢だった。2010年に、両方無くなりまして、続けている意味は何だろう? となった。ネタ合わせの時に解散を言いに行くつもりだった」と説明。しかし、よじょうが解散を切り出したことに激怒し、「『解散なんて何者かになって、みんなにやっていると知ってもらえたやつしか言ったらアカン言葉やろ』と、解散と言おうと思っていたやつが言って、自分で自分に反論しているようになった。『漫才を続けて、漫才で何者かになって、何者かになれた時に辞めようぜ』となり、なんとか耐えた感じです」と回想した。

 本コンテストは、「アマチュアや即席ユニットは出場不可」「全国ネットの漫才賞レースでの優勝経験があるコンビは出場不可」という条件の中、今年は133組がエントリー。グランプリファイナルには、ハンジロウ、金属バット、ラフ次元、ガクテンソク、ななまがり、タモンズ、タイムマシーン3号、ザ・パンチの8組が進出し、第2代チャンピオンの座を争った。ENCOUNT編集部