主演映画『ナミビアの砂漠』が監督週間で公式上映

 俳優・河合優実の主演映画『ナミビアの砂漠』(山中瑶子監督)が17日(日本時間18日)、フランス・カンヌ国際映画祭と並行開催の監督週間で上映された。

 同作は、19歳で初監督した『あみこ』(2017年)でPFFアワード観客賞を受賞し、第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に史上最年少で招待された山中監督の新作。何に対しても情熱を持てず、恋愛ですらただの暇つぶしをする21歳のカナ(河合)の日常を描いている。

 河合は『あみこ』を見て「女優になりたい」と決意し、山中監督に「いつか出演したいです」と伝えに行ったほど。その思いがかなえられた『ナミビアの砂漠』がカンヌで上映されるに至った。監督週間のメイン会場であるシアタークロワゼットで、2回の公式上映舞台あいさつが行われ、上映前の舞台あいさつに登壇した河合は、りゅうちょうな英語で「今日を楽しみにしていました。楽しんでください」と呼び掛けた。

 そして、上映終了でエンドロールが始まると、満足した観客から大きな拍手が鳴り響いた。山中監督とキャストの河合、金子大地、寛一郎が立ち上がり、客席に手を振ってお辞儀。2階席からも声援が飛ぶと、4人は振り向いて手を振るなどし、拍手と喝采に笑顔で応えた。山中監督は「言葉にならない……」と感無量の様子。河合は興奮冷めやらぬ様子でコメントした。

「上映中はすごい皆さんの反応を観察するなどリラックスしていたのですが、終わった後から心臓がバクバクし始めました。興奮していたんだと思います。(観客の反応は)すごくうれしかったです。いっぱい拍手をいただき、感想を直に伝えてくれたり、『本当に来れてよかったな』と思いました。やっぱり、『このお客さんの感想や歓声を聞くためにカンヌに来たんだな』と思いました」

 上映を受け、フランスの現地メディアは「間違いなく素晴らしい作品」「俳優たちの的確な演技に支えられた魅力的な作品」「生々しくダイナミック。若き映画人にふさわしい作品」などと報道。今年1月期に放送されたTBS系連続ドラマ『不適切にもほどがある!』で知名度を上げた河合が憧れた山中監督、そして、河合自身が国際的にも評価を高めた形になった。ENCOUNT編集部