Jリーグがない時代のファミコンゲームは過激だった?

 日本のサッカーJリーグは、1991年に発足され、2024年で33周年を迎える。サッカーのゲームでは『FIFA』(エレクトロニック・アーツ)や『ウイニングイレブン』(コナミデジタルエンタテインメント)などが有名だ。しかし、どちらもJリーグスタート後に発売された作品。そこで今回は、1991年以前に発売されたサッカーゲームを振り返ろう。

 1作目は85年に発売された『サッカー』(任天堂)だ。ドリブルで相手ゴールへ近づき、シュートを決めるシンプルなゲーム性。本作には7チーム登録されており、1チームはゴールキーパーを含めた6人で構成されている。

 守備では、操作する選手を切り替えながら相手の動きに対応する。コンピューターのレベルは、5つのレベルから選択可能で、1人でも楽しく遊ぶことができる。また、対人戦モードもあるため、友人と熱くプレイした人も多いだろう。

 サッカーゲームの先駆け的ゲームにネット上では「パスとシュートのみのシンプルな操作だったがとても楽しかった」「ハーフタイムに行われるチアガールのダンス演出が好きだった」などの声があがっている。

 2作目は88年に発売された『エキサイティングサッカー コナミカップ』(コナミ)だ。育成型のサッカーゲームで、最初に6チームから1チーム選んでプレイが開始される。自身が選択したチーム以外の5チームすべてに勝利したらゲームクリアだ。試合に勝つたびにポイントが付与され、キック力やドリブル力などの能力に振り分けてチームを成長させていく。

 本作は、パスやシュートに加えて、スライディングやヘディングなど多彩なアクション操作ができる。キャラが成長すると、少し曲がったシュートが撃てるようになるのも魅力的だった。また、本作の魅力として注目されたのは音楽のかっこよさである。ネット上では「音楽がバッチリで、自分のなかで最高のサッカーゲーム」「エンディングの音楽が好きで耳コピした」などの音楽への高評価コメントが多く見られる。

 最後は90年に発売された『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』(テクノスジャパン)だ。タイトルを見て「ドッジボール部のサッカー編とは?」と疑問に思う人も多いだろう。本作は全国大会出場が決まった熱血高校サッカー部だったが、多くのメンバーが食中毒になりマネジャーがドッジボール部に助けを求めたというストーリーである。

 サッカーゲームなだけに、本作の魅力は必殺シュートだ。浮き球には、豪快なオーバーヘッドも決めることができる。また試合前には、攻撃の戦略を「パスでつなぐ攻撃か」「ドリブルで駆け上がる攻撃か」、または「キーパーが攻撃に参加するのか」など多様な選択肢から選ぶことも可能だ。

 ここまでは至って本格的なサッカーゲームのように感じるが、興味深いのはボールを蹴ってゴールに決める以外はなんでもアリというところ。通常のサッカーでは、相手にけがをさせる危ないプレイは反則だが、本作には反則がない。体力の尽きた選手や相手に転ばされた選手が、フィールドに倒れたまま試合が続く「なんでもあり」なゲームである。

 ただのサッカーゲームではない本作にネット上では「ハチャメチャ感がたまらなく好き」「反則なしだから乱打戦の試合が多かった」などの声が寄せられている。

 Jリーグが発足する前のサッカーゲームには、今では考えられない過激さや面白さがあったようだ。カキMONO.1