このパテック フィリップの写真をよく見て欲しい ダイヤルに刻まれた時刻は何時までありますか? 注目の大胆発想のデュアルタイム・トラベル・ウォッチ
独創の24時間表示デュアルタイム「パテック フィリップ カラトラバ 5224」
独自性あふれる新しい「カラトラバ・トラベルタイム」は大胆な発想転換によるデュアルタイム表示が特徴。従来の方式と大きく異なるのは、ローカルタイムとホームタイムを示す時針が12時間ではなく、どちらも24時間でダイアルを1周すること。したがってそれぞれの時刻に午前/午後の区別はなく、12の数字が並ぶチャプターリングと相まって一目瞭然に示される。自動巻き。ローズゴールド、ケース直径42mm、3気圧防水。869万円。
「今何時? だいたいね」菅原茂
ワールドタイムやトラベルタイムなど、旅時計の元祖として数多くのフォロワーを従えてきたパテック フィリップが、こんどは型破りな時計で勝負を仕掛ける。ダイアルにぐるり並ぶ数字を見て一瞬戸惑うが、正体は24時間時計。シンプルで見やすい旅時計を考案したらこんな形になった! という結論なのでしょう。封印を解いたようなすごい発想だ。他が借用しても、すぐにネタバレしそうです。24時間表示には慣れも必要だと思うが、実際の旅ではどうなのだろう。テスト使用できませんか?
「北緯・南緯66.6度への旅の相棒」高木教雄
♪はるか国後に白夜は明ける♪──白夜という言葉は子どものころ森繁久彌の「知床旅情」で知った。一日中陽が沈まないとは幻想的だなと感じ、一度は体験したいと思った。白夜を体験する旅の相棒ならこれにしたい。24時間表示のトラベルタイムはホームタイムはもちろん、時間の感覚が狂うであろう白夜・極夜の地でも昼夜が判別できるのだから。24の植字インデックスの完璧な90度のエッジと鏡面仕上げによる優れた審美性は、必ずや旅の時間を特別なものにしてくれる。
「旅慣れたジェットセッターに」本間恵子
あまりにもエレガントなデザインで、少しも気負ったところがないのがいい。ネイビーブルーというよりもむしろ柔和な印象がする独特の青文字盤と、しっかり色を合わせたヌバックのストラップの組み合わせも肩の力が抜けている。これは旅慣れたジェットセッターに似合う時計だ。足すところも引くところもない完成度の高い造形美に知性と大人の落ち着きが漂っている。こういう優雅さを目の当たりにすると、海外に行くときにいつもはりきりすぎてドタバタしてしまう自分が恥ずかしくなってくる。
(ENGINE2024年5月号)