みなさんは「乳頭混乱」という言葉を耳にしたことはありますか? 私には子どもが2人います。1人目の出産のときは母乳育児でしたが、特にトラブルもなく上手く授乳ができていました。しかし、2人目を出産して授乳していたときにそれは突然起きたのです。

2人目の出産

写真AC

 2人目が生まれて無事に退院し、新しい生活が始まった生後5日目の早朝授乳のこと。お腹が空いたと泣き始めたので、いつものように母乳をあげようとしたときです。

 咥えては離し、この世の終わりかと言わんばかりに「ギャーギャー」と泣き叫ぶ。また咥えては離し、「ギャーギャー」と泣き叫ぶ。

 生まれてすぐのときも、入院中も母乳を吸ってくれていたのに、突然咥えてもくれなくなったのです。はじめての経験に私は「なぜ?」という思いでいっぱいでした。

原因は「乳頭混乱」だった

写真AC

 1人目のときは同じく母乳育児でした。特に授乳で困ったことがなくスムーズに授乳ができていました。1人目と2人目は1歳8カ月しか変わらないので、1人目と同様、スムーズに母乳育児ができると思っていたのです。

 それからというものの2人目は混乱したかのように、授乳のたびに加えては離し、泣き叫ぶ日々が続きました。これは、何かおかしいと思いネットでたくさん調べました。すると「乳頭混乱」が出てきたのです。

 「乳頭混乱」とは簡単に言うと、吸えば簡単に出てくる哺乳瓶が良いので母乳を拒否することです。吸えば簡単に出てくる哺乳瓶のミルクの出方に慣れてしまうと、吸う力が必要で、なかなか出てこない母乳に疲れてしまうので「哺乳瓶が良い!」と母乳を嫌がるのです。

 赤ちゃんも生まれて間もないのに考える力があるのかと感心してしまいました。たしかに、生後5日目は母乳が安定しておらず、時々哺乳瓶を使って授乳することもありました。まさかそれが原因で、母乳を拒否されるとは思ってもいませんでした。

母乳で飲んでほしい! 試行錯誤した授乳

写真AC

 乳頭混乱とわかってから「母乳で飲んでほしい」と思っていた私は、必死で様々な方法で授乳をしました。
・スプーンやカップで絞った母乳を飲ませる
・シリコン乳首を使う
・抱き方を変える
・哺乳瓶の乳首を変える

といった方法をいくつか試しました。

【スプーンやカップで絞った母乳を飲ませる】
 これは、授乳に時間がかかりすぎて途方に暮れる思いでした。

【シリコン乳首を使う】
 わが子には合いませんでした。

【抱き方を変える】
 こちらは効果が少しあって、卒乳するまでずっと続けていました。

【哺乳瓶の乳首を変える】
 乳頭混乱で調べたときに出てきた「母乳相談室」の乳首に変えて時々使用しました。「母乳相談室」は乳頭や乳房にトラブルのある方が一時的に使用します。吸う力と時間がかかる乳首なので、乳頭混乱だけど母乳育児に戻したいと使用される方もいます。わが子は吸う力が弱かったので少し効果があったかもしれません。

焦らず、ゆっくり授乳しよう

写真AC

 授乳に時間がかかり、睡眠時間も減り「いつまで、このような生活が続くのだろう」と涙した日もあります。母乳育児に戻そうと毎日必死に授乳をしていました。それから、1週間ほど経つと少しずつ母乳も安定してきて乳頭混乱も無くなりました。そして、1歳になるまで母乳育児ができたのです。

 はじめて「乳頭混乱」を経験したときは、母親として否定されているような悲しい気持ちになったことを覚えています。泣いて母に電話したり、病気ではないかと心配したりもしました。

 しかし、子どもにとっては成長段階の1つであって決して母親を否定しているわけではないんですよね。今は大きな病気やケガもなく、当時のことなんて一切記憶にないワンパクな子どもに育っています。乳頭混乱で困っても、焦らずにゆっくりと今しかない授乳を楽しんでくださいね。

(ファンファン福岡公式ライター/mii24)

あわせて読みたい
母乳が出なくてパニック! 義母の予想外の一言に救われた話  4歳と1歳の兄弟を育てるワーママです。臨月まで働き、産後2カ月半で仕事復帰という強行スケジュールの中「母乳デナイ事件」が起こりました。「完全母乳で育児するもの」と思い込んでいた私は焦り、寝ても覚めても、母乳のことが頭から離れないほど一時追い詰められたのでした。そんな時、義母が私にかけた言葉とは…。
あわせて読みたい
「そんな胸で、母乳が出るの?」義母の言葉から守ってくれた看護師さん 出産前後で、大きく価値観が変わる体のパーツといえば、【おっぱい】ではないでしょうか。 産前は、大きな胸や形の良い胸がもてはやされていたのに、産後は、しっかり母乳が出るか、乳首は赤ちゃんが吸いやすい形をしているか、そんなことが重要になってきます。筆者も、独身時代は、少しでも胸を大きく見せようと、ブラにパッドをしのばせたり、寄せてあげていたのが、まるで前世の記憶のよう…。母乳さえ出れば、それで良い…。そんな気持ちでいました。  そんな【おっぱい】で、義母と一触即発の事態になりかけた友人がいました。その修羅場から救い出してくれたのは、意外な人物だったのです。
あわせて読みたい
<搾乳が大変だった…>母乳育児に苦労した体験談 超低出生体重児として産まれたわが家の双子。退院するまでの3カ月間、母乳を搾乳して病院に届け続けたのですが、それがもう大変で…。しかし、初めて授乳できた時には、思いもよらない気持ちになります。搾乳に苦労した体験談を聞いてください。