全国的にも著名人になりすまして投資などに勧誘する詐欺広告が問題となっていましたが、21日、こうした事件に関わった疑いで、中国籍の会社役員の男が警察に逮捕されました。

詐欺の疑いで逮捕されたのは、中国籍で東京都墨田区の会社役員、ワン・チェクルン容疑者(34)です。

警察によりますと、ワン容疑者は、2024年3月から4月にかけ、ジャーナリストの池上彰さんなどになりすまし、いわき市の70代女性にうその投資話を持ちかけ、現金1千万円あまりをだまし取った疑いが持たれています。

女性は、ユーチューブの広告をクリックし、その後、誘導された無料通信アプリ「LINE」で池上彰さんを名乗る人物から「原油に投資すれば利益が出せる」などとメッセージを受けたということです。

いわき市内で、「通貨ディーラー」を名乗るワン容疑者と会い、女性は2回に渡って現金合わせて1千万円あまりを手渡しました。

ワン容疑者は、いわゆる「受け子」とみられていて、調べに対し、「お金を受け取ったことは間違いない」などと話しています。

福島県内で、いわゆる「SNS型投資詐欺」の検挙は、今回が初めてだということです。

福島県警は、ほかにも協力者がいるとみて、調べを進めているということです。

改めてですが、今回はジャーナリストの池上彰さんをかたり、うその投資話が持ちかけられました。

長野県警が動画投稿サイト「ユーチューブ」に公開している動画です。

そのなかで池上さんも長野県警と一緒に詐欺への注意を呼びかけ、広告はまったくのうそだと否定しています。

詐欺広告をめぐっては実業家の前澤友作さんや堀江貴文さんも対策を求めています。

福島県警もSNSやマッチングアプリなどで現金を要求されたら家族や警察に相談するよう注意を呼び掛けています。

■県警察本部 生活安全企画課 髙野 弘一 調査官

「「絶対もうかる」「あなただけ」といった言葉が出たら詐欺を疑い、安易にお金を振り込まない、必ず誰かに相談する、これを是非とも御願いします」

福島県警によると、2024年のSNS型の投資詐欺は、県内では4月末時点でおよそ3億6千万円の被害が確認されているということです。