仕事で営業車に乗ることがある人だと「路上駐車をして駐禁(駐車禁止違反)を取られてしまった」という経験も珍しくないでしょう。   駐禁を取られると罰金を支払わなければならなくなるため、その支払いについて迷われることもあると思います。普通車の駐禁の反則金は、駐停車禁止場所の場合1万2000円、駐車禁止の場所で1万円です。   本記事では、業務中に営業車で駐禁を取られてしまった場合の責任や支払い負担について、詳しくご紹介します。

仕事中の駐禁は誰の責任になるのか?

道路交通法第四十四条および第四十五条では、駐車禁止の場所について定められており、これに違反した場合は、違法駐車として罰則の対象となります。
 
駐車禁止の場所に車両を停めており、運転者がその車両から離れていて、すぐに運転できない状態にあるものを「放置車両」と呼びます。
 
停めていた時間や、運転者が車両から離れていた距離、エンジンを止めていたかどうかなどは関係なく、運転者がその責任を追及されることになるでしょう。
 
ただし業務命令で、営業車を路上駐車するように会社が指示していた場合などは、民法第七百十五条により「使用者責任」が発生する可能性もありますが、通常では考えにくいことといえるでしょう。
 

駐禁を取られた従業員が罰金を払わなかったらどうなる?

放置駐車違反に対する責任追及は、まず運転者に行われますが、運転者が罰金を払わない場合は、使用者責任が追及されることになる可能性があります。
 
ただし使用者に対しては、放置違反金の納付命令が下される前に書面で通知されて、弁明の機会が与えられたうえで手続きが行われます。
 
弁明が認められるのは、違反日に放置車両の使用者でなかった場合や、その違法駐車行為が天災などの不可抗力によるものであった場合などです。弁明が認められなかった場合は、放置違反金納付命令書が送付されてきます。
 

会社の規約やルールを確認しよう

業務中に営業車で駐禁を取られてしまった場合は、運転していた従業員が罰金を負担するケースが多いと考えられます。
 
しかし、罰金の支払いをどのようにするかについて、会社の規約やルールに定められていることもあるため、確認しておきましょう。従業員が営業車を使用する際のルールを定めた「車両管理規定」があれば、従業員が交通違反を起こしたときの費用負担についても、明記されている可能性があります。
 

業務中に駐禁を取られた場合は運転者が罰金を払うことになるケースが多い

業務中に営業車で駐禁を取られてしまった場合は、基本的には運転していた人がその責任を問われますので、罰金を支払う必要があります。
 
しかし、会社が路上駐車するように命じていた場合などは「使用者責任」が発生することもあるため、状況を確認しましょう。
 
業務中に従業員が起こした交通違反について、罰金の支払いをどのようにするかなどを会社の規約で定めていることもあるため、まずは調べてみることをおすすめします。
 

出典

デジタル庁e-GOV法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号) 第三章 車両及び路面電車の交通方法 第九節 停車及び駐車 (停車及び駐車を禁止する場所)第四十四条,(駐車を禁止する場所)第四十五条
デジタル庁e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第三編 債権 第五章 不法行為(使用者等の責任)第七百十五条
警視庁
 反則行為の種別及び反則金一覧表 放置・駐停車に関する反則行為
 放置駐車違反 放置駐車違反に対する責任追及の流れ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー