転職すると以前の会社とは全く違う環境に驚くことは少なくありません。会社のルールや仕事の進め方はもちろん、風土や風習などの違いに戸惑うこともあるでしょう。   会社の中には、毎朝始業前に社歌斉唱や体操をしている場合もあります。本記事では社歌斉唱や体操を行う効果や、社歌斉唱や体操を始業前に行う会社がブラックなのか解説しています。

始業前に社歌斉唱や体操をする効果

そもそも、始業前に社歌斉唱や体操をする効果は何なのでしょうか。
 
まず社歌ですが、社歌では歌詞という短い文章の中にさまざまなキーワードを詰め込む必要があり、お客さんへの感謝や会社の考え方、働く意味などが凝縮されています。そのため、社歌を歌うことで、会社への愛着が増したり、魅力を知ったりといった効果が期待できます。
 
ちなみに、日本経済新聞が主催する「日経社歌コンテスト」も2024年で5周年を迎えています。社歌は古いというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、現在も取り入れている会社はあり愛着を感じている人も多いのかもしれません。
 
続いて体操ですが、健康促進が効果として挙げられます。仕事前に簡単なストレッチやラジオ体操などをすることで、血液循環が良くなり、筋肉や関節の柔軟性を向上させる効果が見込めるでしょう。
 
また、社歌にしても体操にしても、同じことを社員全員が行うということで、チームとしての一体感も期待できます。
 

社歌斉唱や体操がある会社はブラックなのか?

社歌斉唱や体操があるからといって、それだけでブラック企業とはいえません。そもそも、ブラック企業に法的な定義はありませんが、一般的に賃金不払いの残業やハラスメントが横行しているような点がブラック企業の特徴として挙げられます。
 
そのため、始業前に社歌斉唱や体操の時間があり、強制されているにも関わらず、その時間が労働時間ではない=給料が支払われていない状態が常態化されているような会社はブラック企業といえる可能性があります。
 
それでは、始業前の社歌や体操が強制されているとは、どのような場合なのでしょうか。
 

始業前の社歌斉唱や体操が強制とみなされる場合

上司から始業前の社歌斉唱や体操をするように指示があった場合、その時間は労働時間とみなされるでしょう。また、直接的な指示が無くても、実質的に強制といえるような状態であれば、その場合も労働時間とされる可能性があります。
 
例えば、社歌斉唱や体操をしないと人事評価が下げられる、社歌斉唱や体操をしない人は社内で孤立させられるといった場合、実質的に強制とみなされる可能性が高いです。
 

始業前の社歌斉唱や体操が強制とみなされない場合

始業前の社歌斉唱や体操が強制とみなされない場合は、始業前に社歌斉唱や体操を行っても労働時間ではないため、賃金が支払われなくても妥当といえます。
 
例えば、社歌斉唱や体操が自由参加と大々的に周知されている場合や、社歌斉唱や体操を行わなくても人事上の不利益がなく、周りからも特に変に思われることが全くない様な場合は、強制とはみなされないでしょう。
 

まとめ

社歌斉唱や体操が行われていること自体は問題ありませんが、それが始業前にあり、かつ強制的に行うのが当たり前になっているような会社は、支払われるべき給料が支払われておらず、ブラック企業の可能性が高いといえます。
 
また、強制ではないにせよ、毎朝大声で社歌を歌うような社風の会社は嫌だという人もいるでしょう。そのような場合、強制かどうかに関わらず転職を検討してみてもよいかもしれません。
 

出典

日本経済新聞 社歌コンテスト
厚生労働省 労働時間の考え方:「研修・教育訓練」等の取扱い
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー