日本は貧しい方が増えていると聞いたことがある方もいるでしょう。   しかし実は貧しい方だけではなく、個人資産1億円以上の富裕層も増えているようです。   株式会社野村総合研究所は各種統計を基に、2021年の日本における純金融資産保有額ごとの世帯数と資産額の推計を発表しました。そのデータを参考に、日本に富裕層はどれくらいいるのかを見てみましょう。

富裕層の定義とは?

野村総合研究所の推計結果によると、富裕層は1億円以上5億円未満の個人資産を保有する世帯が該当するとのことです。
 
そのなかで、個人資産が5億円以上ある世帯を超富裕層、5000万円以上1億円未満の世帯は準富裕層と呼ばれています。階層別に見た、保有資産規模と世帯数は2021年の時点では表1の通りです。
 
表1

階層 保有資産規模と世帯数
超富裕層
(5億円以上)
105兆円
(9万世帯)
富裕層
(1億円以上5億円未満)
259兆円
(139万5000世帯
準富裕層
(5000万円以上1億円未満)
258兆円
(325万4000世帯)
アッパーマス層
(3000万円以上5000万円未満)
332兆円
(726万3000世帯)
マス層
(3000万円未満)
678兆円
(4213万2000世帯)

※株式会社野村総合研究所 「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計【ニュースリリース】」を基に筆者作成
 
超富裕層も含めると、個人資産が1億円以上ある世帯は日本に148万5000世帯あります。
 

富裕層は増えている? 減っている?

同資料によると、純金融資産保有額の階層別に見た2013年から2021年までの富裕層の世帯数の変化は以下の通りです。

●2013年:95万3000世帯
●2015年:114万4000世帯
●2017年:118万3000世帯
●2019年:124万世帯
●2021年:139万5000世帯

このように富裕層の世帯数は、純金融資産額とともに増えている傾向があります。
 
富裕層や超富裕層の世帯が増えている要因として、株式などの資産価格が上昇した影響で保有資産額が増大したことが挙げられています。
 
その結果、準富裕層だった一部の世帯が富裕層に、さらに富裕層の一部が超富裕層になったと考えられるでしょう。
 

富裕層はどのような仕事をしている?

同資料によると、日本の富裕層には起業家として活躍している「事業オーナー」が多いとのことです。
 
ほかにも、医師やパイロットも年収が高い職業といわれています。厚生労働省が運営する職業情報サイトによると、内科医の平均年収は1428万9000円、パイロットの平均年収は1600万3000円です。
 
富裕層には、このような年収が高い傾向にある職業に就いている方が多いのかもしれません。
 

日本の富裕層は約140万世帯(2021時点)であり年々増加している

2021年時点で日本の富裕層は139万5000世帯でした。
 
超富裕層も含めると、1億円以上の個人資産を保有する世帯は148万5000世帯です。2013年から2021年にかけて、富裕層の純金融資産額と世帯数の推移は右肩上がりとなっています。
 
日本には貧しい方が増えているといわれていますが、その一方で富裕層も増加しているようです。
 

出典

株式会社野村総合研究所 NRI 野村総合研究所、日本の富裕層は1489萬世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計【ニュースリリース】
厚生労働省 職業情報提供サイト jobtag
 内科医
 パイロット
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー