現状渡しの中古車がすぐ故障した際、販売者が無償修理しなければならない場合がある
基本的には「現状渡し」で購入した中古車が故障した場合、保証がないため購入者が修理代を負担してなくてはいけないのかと考える方も多いでしょう。ただし「現状渡し」であっても、中古車に自然消耗とはいえない不具合が生じた場合には、販売店が無償修理をしなければならない場合があります。
民法第五百六十二条買主の追完請求権には、以下のような記載があります。
「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。」
つまり、販売者は例え「現状渡し」でも、最低限「一定期間、一定の距離は問題なく走行すること」という部分に責任を持たなくてはいけないということです。
もしも中古車を購入後、たった1週間で壊れてしまった場合、それが自然消耗によるものでなければ、販売者側の債務不履行として、販売店には無償で修理をする義務が発生します。
故障リスクを回避するための中古車を購入する際のチェックポイント
このようなトラブルを未然に防ぐためにも、中古車を購入する際、故障リスクを最小限に抑えるために確認すべき主なチェックポイントを以下に紹介します。
表1
詳細 | |
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車両の履歴を確認 | 修理歴や事故歴が記載された車両記録簿で事故車でないかを確認 |
車体のチェック | さびやへこみがないか、塗装にムラがないかを確認 |
エンジンの状態の確認 | エンジンを始動し異常な音がしないか、排気ガスの色が正常かを確認 |
走行距離の確認 | 10万キロメートルを超える場合はメンテナンスされているのかを確認 |
試乗 | 実際に運転してみて、ブレーキやハンドルの反応、変速のスムーズさなどを確認 |
※筆者作成
現状渡しの中古車がすぐ故障した場合、自然消耗でなければ修理代はかからない
購入したばかりの中古車がすぐ壊れた場合、例え「現状渡し」だったとしても、自然消耗による不具合でなければ、販売者の債務不履行となり、修理代は自己負担にはなりません。販売者の責任として、無償修理または修理できなければ契約解除できる可能性もあります。
ただ、トラブルの交渉や手続きに心労がかかるため、故障リスクを最小限に抑えるためにも、今回ご紹介したチェックポイントを中古車の購入前には必ず確認しましょう。
出典
e-Gov法令検索 明治二十九年法律第八十九号 民法 第五百六十二条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー