会社員の方の大半は、会社が実施する健康診断を1年に1回は受けているはずです。健康診断を1回受けたものの、体調不良を感じたことで2回目も受けたいと考える方もいるかもしれません。   このような方は、二次健康診断等給付という制度を利用すると、2回目も無料で健康診断を受けられる可能性があります。   今回は、二次健康診断等給付についてご紹介します。

二次健康診断等給付とは?

厚生労働省によると、二次健康診断等給付とは、会社で定期的に実施されている健康診断(一次健康診断)で異常が見られた場合に、2回目の健康診断を1年度に1回無料で受診できる労災保険に含まれた制度のことです。脳血管や心臓の状態を把握し、脳・心臓疾患の予防を目的に実施されます。
 
二次健康診断等給付を受けるには、一次健康診断時の以下の数値に異常が認められることが要件のひとつです。

●血圧検査
●血中脂質検査
●血糖検査
●腹囲の検査またはBMI(肥満度)の測定

上記のほかにも、脳・心臓疾患の症状がないことと、労災保険の特別加入者でないことも要件となっています。
 
以上の要件を満たしている方は、二次健康診断等給付の対象者となる可能性が高いでしょう。そのため一次健康診断を受けたあと、めまいなど体調に異常を感じ、一次健康診断の結果「異常の所見」があると診断されたときは、二次健康診断等給付の請求をしてみるとよいかもしれません。
 
請求方法や受診できる医療機関については、労働局労災補償課に相談をするとよいでしょう。
 

二次健康診断等給付の内容と手続きの流れ

二次健康診断等給付の内容には、以下の2つがあります。

●二次健康診断
●特定保健指導

二次健康診断は、脳血管と心臓の状態を把握するための検査が行われます。その結果を基に、医師または保健師から生活習慣や食生活の指導を受けることが特定保健指導です。
 
二次健康診断と特定保健指導は、いずれも無料で受診ができます。二次健康診断等給付を受けるには、働いている会社の事業主に給付請求書の証明をしてもらう必要があります。その給付請求書を二次健康診断の受診ができる医療機関に提出しましょう。
 
ただし二次健康診断は、誰でも受けられるわけではない点には注意が必要です。例えば一次健康診断で異常はなかったものの、念のためにもう1回受けたいなどの理由では受けられません。
 

二次健康診断等給付は条件を満たさないと利用できない

会社で実施する一次健康診断のあとに、体調不良を感じることもあるでしょう。この場合、二次健康診断等給付の対象者であれば、無料でもう1回健康診断を受けることが可能です。
 
ただし、一次健康診断の血圧、血中脂質、血糖、BMIの数値に異常が認められており、現段階で脳・心臓疾患の症状がなく、労災保険の特別加入者でないことが要件となっています。健康状況が気になる方は、ご自身が二次健康診断等給付の対象者かどうか確認してみることをおすすめします。
 
請求方法や対象の医療機関などを含め、二次健康診断等給付について不明点があれば、お近くの労働局労災補償課に相談をしてみましょう。
 

出典

厚生労働省 労災保険二次健康診断等給付
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー