預金の引き出しには、通帳かキャッシュカード、それと暗証番号が必要です。しかし、なんらかのトラブルでそれらを紛失してしまうこともあるでしょう。貴重品だけに、家中を探し回るケースも少なくありません。   今回は、通帳を紛失してしまった場合の対処と「休眠預金」について解説します。

「繰越済」の通帳では預金は引き出せない

預金を引き出す際、「繰越済」の通帳は効力を発揮しないといわれます。預金を引き出すには、現在使っている通帳もしくはキャッシュカードが必要です。
 
通帳を繰り越して2冊目を発行した場合、原則として1冊目は通帳としての機能を失います。取引履歴を表記したデータとしてのみ使えますが、本人確認書類としては使えません。
 
通帳を紛失した場合、通常は再発行をすることになります。その際必要となる本人確認書類は、以下のものが挙げられます。
 

・マイナンバーカード
・パスポート
・運転免許証
・運転経歴証明書
・健康保険証
・各種年金手帳
・各種福祉手帳
・住民票の写し
・印鑑登録証明書

 
必要な書類は対象の金融機関によって異なるため、事前に相談しておくとよいでしょう。また書類の種類によっては、2点以上提示しなければならない場合もあります。
 
なお、金融機関によっては再発行に手数料がかかる場合が多いです。
 

口座をそのまま放置するとどうなる?

通帳が長い間使われていないと、使うつもりのないお金「休眠預金」として金融機関に処理されてしまう可能性があります。休眠預金になると、通帳が見つかった場合でも従来通りにお金を引き出せません。そこで、口座を長期間放置することで起こる休眠預金について解説します。
 

10年間取引がない口座は休眠預金とみなされる

休眠預金で処理される期間の目安は10年です。最後の取引から10年間入出金などの取引がなければ、原則として休眠預金の状態にあると覚えておきましょう。今回のように通帳を紛失している状態なら、長年口座を使っていない可能性も考えられます。
 
既に休眠預金とみなされている口座からお金を引き出すには、本人確認書類や印鑑など証明書類を持って取引のあった金融機関の窓口で手続きを行わなければなりません。
 

預金残高が1万円以上であれば、休眠預金になりそうな場合に通知がくる

休眠預金は、預金残高が1万円以上であれば処理される前の9年目に通知がきます。このとき、通知が登録されている住所に届けば、休眠預金にはなりません。また通知が届かない場合でも、10年以内に入出金などがあれば問題なく口座を使えます。なお、この通知は電子メールで届く場合もあります。
 
ただし、口座に登録されている住所と現住所が違っていたり、メールアドレスが異なっていたりすると通知が届かずにそのまま休眠預金として処理されてしまう可能性があるので要注意です。
 

通帳がないときは金融機関に相談しよう

通帳が見つからないときは、まず金融機関に相談しましょう。通帳を紛失した際の対応や各手続きに必要な書類は、金融機関ごとで異なります。長い間使っていない口座なら休眠預金の可能性もあるため、速やかに金融機関へ相談して対応してもらいましょう。
 

出典

政府広報オンライン 放置したままの口座はありませんか? 10年たつと「休眠預金」に。
金融庁 長い間、お取引のない預金等はありませんか?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー