マネーリテラシーを高めるメリット
マネーリテラシーとは、金融や経済に関するノウハウを学び、より良い生活を送るために必要な判断力を持つことです。子どものマネーリテラシーを高めると、主に以下のようなメリットがあります。
・自分で家計管理ができるようになる
・相手にケガを負わせない、病気への対処、収入減などの緊急時にも強い
・詐欺や借金などの金融トラブルに遭いにくくなる
・経済的に自立し、より良い生活を送りやすくなる
マネーリテラシーは特殊な訓練を積まなくても、家庭の中で自然と高めることが可能です。では、具体的にどのようなことをしたらいいのかご紹介します。
銀行員が実施しているマネーリテラシーの高め方
りそなグループが545名の銀行員に行った「子どもへの金融教育に関するアンケート」によると、マネーリテラシーは年齢に合った教え方が重要です。
例えば、幼稚園児の場合は、お店屋さんごっこをしたり、ジュースを自販機で買わせたりして、まずはお金の役割を認識させる学び方が見られました。小学生の場合は、お小遣いのルールを決めたり、預金口座を持たせたりして、実際にお金を運用させる方法が見られます。
中学生になると、1年分の衣服費を渡してまとまったお金を管理させる方法や、ポートフォリオ投資理論、つみたてNISAなど投資について教えるケースも見られました。高校生は、デビットカードの使い方やクレジットカードの必要性などについて話し合うケースも多いようでした。
学校における金融教育
子どもに対する金融教育は、学校の授業の中でも実施されています。例えば、金融広報中央委員会が公開している「金融教育プログラム」では、主に以下の4分野について重点的に指導することを目標にしています。
・生活設計・家計管理に関する分野
・金融や経済の仕組みに関する分野
・消費生活・金融トラブル防止に関する分野
・キャリア教育に関する分野
具体的な指導内容を、それぞれ確認していきましょう。
生活設計・家計管理に関する分野
まず、小学校・中学校・高校で指導される1つ目の金融教育は「生活設計・家計管理に関する分野」です。
生活設計・家計管理に関する分野では、「資金管理と意思決定」「貯蓄の意義と資産運用」「事故・災害・病気などへの備え」などを通じ、計画性のあるライフプランニングを学びます。
金融や経済の仕組みに関する分野
小学校・中学校・高校で指導される2つ目の金融教育は「金融や経済の仕組みに関する分野」です。
金融や経済の仕組みに関する分野では、「お金や金融の働き」「経済変動と経済政策」「経済社会の諸課題」などを通じて、世の中のお金の流れや金融機関や企業などの役割について学びます。
消費生活・金融トラブル防止に関する分野
小学校・中学校・高校で指導される3つ目の金融教育は「消費生活・金融トラブル防止に関する分野」です。
消費生活・金融トラブル防止に関する分野では、「金銭トラブル・多重債務」の事例から社会で起きている身近なお金と犯罪の問題について学びます。
キャリア教育に関する分野
小学校・中学校・高校で指導される4つ目の金融教育は「キャリア教育に関する分野」です。
キャリア教育に関する分野では、「働く意義と職業選択」や「生きる意欲と活力」などを通じて労働が経済的な自立や安定の基盤になることを学びます。
子どもの成長に合わせた金融教育がポイント
マネーリテラシーを高めれば、金銭トラブルを回避しやすくなり、お金の運用を上手にできるようになるため、社会に出てから役立ちます。
ただし、お金や経済の話は小さな子どもには難しいため、子どもの成長に合わせながら金融教育をすることが重要です。小さい頃は簡単な買い物やお店屋さんごっこから始め、大人になるに連れて、少しずつお金の運用や投資などについても教えていきましょう。
出典
政府広報オンライン「金融リテラシー」って何? 最低限身に付けておきたいお金の知識と判断力
金融広報中央委員会「知るぽると」金融教育プログラム「学校における金融教育の年齢層別目標」【改訂版】
りそなグループ 子どもへの金融教育に関するアンケート
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー