近年では少子化が進んでおり、労働人口の減少が問題視されています。また育児や介護などのライフイベントと仕事の両立を実現させるため、時短勤務制度が導入されています。   しかし、時短勤務制度を活用する方が増加している一方で、独身生活などで通常どおり勤務している方の仕事が増えていることは、いまや深刻な問題となっているのです。そこで本記事では、時短勤務の概要や独身生活のメリットについて解説します。

少子化対策の一端である「時短勤務」

厚生労働省によると「短時間勤務制度は、1日の所定労働時間を原則として6時間(5時間45分から6時間まで)」にする制度です。育児や介護の必要がありフルタイムで働くことが難しい場合でも、ワークライフバランスを保てる制度だといえるでしょう。
 
時短勤務は育児・介護休業法を根拠としており、少子化対策の一端として推進されています。結婚している方にとっては、ライフイベントと仕事の両立がしやすくなるため、労働人口の確保にもつながると考えられています。
 
しかし、職場によっては時短勤務者の増加から、フルタイム勤務者の業務量や残業が増えるといった問題が発生しています。
 

増加している単独世帯

近年では育児・介護休業法をはじめとして、結婚している方のライフワークバランスを保つための制度が充実してきていますが、さまざまな理由から独身を選択する方が増えています。総務省統計局の「令和2年国勢調査」をみると、単独世帯の割合は、2005年の29.5%から2010年に32.4%、2020年には38.0%と徐々に増加していることが分かります。
 
また国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によると、独身でいる主な理由は次のとおりです。
 

・結婚する積極的な動機がない
・適当な相手にめぐり会わない
・趣味や娯楽を楽しみたい

 

金銭的メリットが大きい

独身生活では時短勤務などワークライフバランスを保つための制度の利用は難しいですが、さまざまなメリットが存在すると考えられます。まず独身を選択する理由の1つとして、金銭的メリットが大きいことが挙げられます。
 
独身の場合には生活費を1人で稼ぐ必要があり、失業や病気・けがなどによって働けなくなると収入がなくなってしまう事態が考えられます。しかし、衣食住や趣味などお金をどのように使うかを自身の裁量で決められる点はメリットといえます。
 
また将来的に起業や独立を考えている場合や、スキルを身につけるための自己投資をしたい場合には、家族のことを考慮せずにお金が使える点もメリットです。さらに投資や貯蓄といった将来を考えた行動についても、自身の判断で決められます。
 

自由度の高い独身生活

独身生活では、自由度が高い点もメリットです。自身の日常生活における行動や生き方、考え方が自由であることが独身を選ぶ大きな理由となっています。また家族扶養の責任がなく、広い友人関係を保ちやすいといった理由も挙げられます。
 

独身生活を続けるためには

お金や行動の自由度が高いといったメリットがある独身生活ですが、家族からのサポートがないといったデメリットもあります。そこで独身生活を続けていくためには、いくつかの注意点を把握しておきましょう。
 
まずは、自身の健康管理が重要です。病気やけがによる収入の減少や日常生活の不自由などさまざまな問題が発生する可能性があるため、健康管理に注意しなければなりません。また収入がなくなった場合や減少した場合に備えて、貯金をしておいたり保険に入っておいたりするなどのライフプランニングも重要です。
 
独身生活を続けていくためのポイントを把握し、独身のメリットを生かしたライフスタイルを考えてみてください。
 

出典

厚生労働省 育児・介護休業法のあらまし
総務省統計局 令和2年国勢調査
国立社会保障・人口問題研究所 第16回出生動向基本調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー