「教師は安定した収入があり、老後は安泰だ」と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。でもなぜか、教師である友人の夫が定年後も働き続けていると、教師としての生活はどのようなものなのか、教師の年収や退職金がどれくらいなのか、気になるかもしれません。   本記事では、高校教師の平均年収と、退職金の平均金額を紹介します。本ケースのように定年後も働く理由も、データを基に考えてみます。

教師の年代別の平均年収

高校教師の平均年収は、勤務地や学校の種類(公立か私立か)、そして年代によって大きく異なります。公立学校の教師は、地方公務員としての地位を持ち、給与体系が国や自治体によって規定されています。
 
一方、私立学校の教師の給与は、学校の財政状況や設置者の方針により決まるため、学校によりまちまちです。
 
職業情報提供サイト jobtagの高等学校教員のデータによれば、図表1のように、高校教師の平均年収は一般的に安定した金額であるとわかります。
 
図表1

年代 平均年収
20代 約395万円
30代 約595万円
40代 約762万円
50代 約871万円
60代 約691万円

職業情報提供サイト jobtag 高等学校教員 を基に作成
 

高校教師の退職金の平均金額

総務省が公表している「給与・定員等の調査結果」に基づき、各都道府県の高校教師の平均退職金額を計算すると、2225万円となりました。一般的に民間企業に勤める人の退職金と比較しても、多くの退職金を受け取っていると分かります。教師が受け取る最も大きな一時金であり、多くの場合、老後の生活を支えるものとなりそうです。
 
高校教師の退職金が、一般的な退職金よりも多い理由として、教師として就職すると多くの場合定年まで同じ職にとどまる人が多い点も挙げられます。退職金は勤続年数に応じて増額されることが一般的であるため、長く勤務することで高額になるのでしょう。
 
また、一般的に高校教師の給料は、勤続年数や職位に応じて段階的に上昇する体系となっています。退職金の計算は最終給与や平均給与が基礎となるため、給与体系が安定している公務員は高額の退職金を得やすくなるのです。
 

教師が退職後も働き続ける理由

今回のケースのように友人の夫が定年後も働き続ける理由は、結局のところ人それぞれです。経済的には安定しているとみられるため、教師としての情熱や子どもたちへの貢献の思いがあるのかもしれません。あるいは個人的な生活や老後の目標に基づくものかもしれません。また、教師時代の年収や退職金が多い場合でも、生活スタイルや家族構成などによっては老後の資金に差が生まれる可能性も十分考えられます。
 
高校教師の平均年収や退職金のデータを見ると、確かに安定した収入と豊かな退職後の生活を期待できる職業であるとわかります。しかしそれ以上に、教師という仕事が持つ社会的な意義や個人的な充実感が、定年後も彼らを現場にとどめているのかもしれません。
 

教師の年収や退職金は状況や勤続年数に応じて変わる

教師の年収や退職金は、公立か私立かや勤続年数によって異なりますが、一般的には安定した収入と見なされています。しかし、退職後も働き続ける理由は人それぞれで、趣味や生活の充実、または経済的な理由からかもしれません。老後も安心して生活するためには、働き方や生活設計を考えることも重要です。
 

出典

職業情報提供サイト jobtag 高等学校教員
総務省 給与・定員等の調査結果等
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー