野村證券のランキング1位は「野村インデックスファンド・日経225」

野村證券の4月ランキング1位は、「野村インデックスファンド・日経225」だった。同ファンドは、日経平均株価(日経225)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドである。日経平均株価の4月の終値は、前月末比1963円78銭(4.86%)安の3万8405円66銭と、4カ月ぶりの下落となった。この下げ幅は1年7カ月ぶりの大きさである。背景には米国の根強いインフレがあり、FRB(米連邦準備理事会)の利下げ期待が後退したことが挙げられる。これを受け、東京市場では金利動向に敏感なハイテク関連株が下落。特に、東京証券取引所に上場する主要な半導体関連銘柄で構成される日経半導体株指数は、3月末比10.94%安と大幅に下落した。さらに、中東情勢の緊迫化も投資家の不安材料となった。イスラエルがイランを攻撃したことで、リスク回避を目的とした株式の売却が増加したのである。

ただ、日経平均株価に連動するインデックスファンドは、株価が下落する局面で買いが増える傾向にある。野村證券でも、株価下落局面で同ファンドを買い付けた投資家が多かったと考えられる。

みずほ証券のランキング1位は「みずほサステナブルファンドシリーズ−LO・サーキュラー・エコノミー」

みずほ証券のランキング1位は、「みずほサステナブルファンドシリーズ−LO・サーキュラー・エコノミー」だった。同ファンドは、サーキュラー・エコノミー(循環経済)への移行に焦点を当てた投資信託である。サーキュラー・エコノミーとは、資源を循環的に利用しながら付加価値を生み出す社会経済システムを指す。同ファンドは、「循環型バイオエコノミー」「廃棄物ゼロ」「成果志向型経済」「資源効率性」の4つのテーマに沿った世界中の株式に投資し、サーキュラー・エコノミーの推進に貢献することを目指している。

同ファンドの信託報酬は年率1.738%(税込)で、みずほ銀行やみずほ証券などで取り扱っている。サーキュラー・エコノミーは資源の効率的な利用と経済成長を両立させるものであり、そのような経済活動に貢献する企業への投資機会を提供するファンドとして注目している。

大手証券では4月もインド株ファンドが人気

ダイワ・ダイナミック・インド株ファンドや、新光ピュア・インド株式ファンドなど、大手証券ではインド株ファンドの人気が、4月も高かった。インドの存在感が、世界の株式市場で日増しに高まっている。インドは人口増加が続き、所得の向上余地も大きいことから、高成長を続ける市場として注目を集めているからである。また、中国への投資リスクを懸念した海外のマネーが流入しているほか、インド国内の個人投資家の積み立て投資も市場をけん引している。こうした背景から、インドの主要株価指数は最高値圏で推移している。

インド株式市場は、インド国内投資家が6割、海外投資家が4割と、国内投資家の割合が高い状況にある。しかし、今後は海外投資家からの資金流入が期待される。インド経済は内需・内製の割合が高く、地政学的リスクが低いという特徴があり、これは投資家にとって安心材料だからである。中国やロシアへの投資回避の動きがある中、インドが代替先として評価を高めている。欧米の年金などの資金がインド株に向かいつつあり、インドの通貨ルピーが米ドルに連動していることも、海外投資家にとって投資しやすい環境となっている。

インドは海外投資家から見て魅力的な市場であり、インド政府も海外からの投資を促進する政策を実施している。インド経済は今後も成長が予想され、海外投資家からのさらなる資金流入が期待できるだろう。