8日の日経平均は反発。354.96円高の39347.04円(出来高概算15億6000万株)で取引を終えた。週末の米国市場で主要株価指数が上昇したことを受け、前週末の急落に対する自律反発を狙った買いが先行する格好から、日経平均は反発スタート。前場終盤には39617.36円まで水準を切り上げた。また、円相場が1ドル=151円後半へと円安に振れていることで、輸出関連株買いに安心感を与えた。ただ、自律反発の域は脱せず、上値を買い上がる雰囲気にはなかった。後場は利食い優勢のなか、上げ幅を縮めた。



東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1200を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、輸送用機器、証券商品先物、石油・石炭製品、その他金融など31業種が上昇。一方、鉱業、空運の2業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、TDK<6762>、トヨタ<7203>、ソフトバンクG<9984>が堅調だった半面、アドバンテス<6857>、中外薬<4519>、塩野義<4507>、安川電<6506>、資生堂<4911>が軟化した。



前週末の米国市場は、堅調な雇用統計を受け、米経済の先行き楽観的な見方から幅広い銘柄に買い戻しが入り、主要株価指数は上昇。SOX指数が1.33%高となるなど、ハイテク関連株の上昇が目立った。これを受け、指数寄与度の大きいハイテク関連やグロース株中心に値を上げる銘柄が目立ち、日経平均の上げ幅は一時600円を超えた。また、先週末の相場下落のきっかけとなった中東情勢については、「イスラエルがパレスチナ自治区ガザ南部から部隊を撤退させ、停戦に向けた新たな協議に取り組む姿勢を示した」ことなどから、地政学リスクへの懸念もいったんは和らぎ、買い戻しの動きを強める要因の一つになったとみられる。



日経平均は一時600円超上昇したものの、その後は伸び悩み、全般に迫力に欠けた展開だった。中東情勢についても、本当に停戦に向けての動きが強まるのか見極めたいと考える投資家が多いほか、インフレ高への警戒感も残る。また、今週は10日に3月の米消費者物価指数(CPI)、11日には米卸売物価指数(PPI)の発表を控える。早ければ6月にも予定される米国の利下げへ向けた経済状況を確認するためにも、結果を見極めたいところであり、積極的な売買は手控えられやすいところである。さらに、国内でも今月下旬からは主要企業の2024年3月期決算の発表が本格化する。来期以降の業績向上を見通せるのか確認したいとの見方も多い。