■中長期の成長戦略



今後の企業価値最大化に向けた主要な戦略の1つとして、今後もM&Aを推進しプロダクト・データ・人材の充実を図り、事業の成長を加速させる方針だ。M&Aの基本方針として、これまで同様に既存事業とシナジーのある同種、または隣接領域のソリューションを強化したいと考えているようだ。具体的には、エフ・コード<9211>のメイン事業であり、他のサービスの起点となるマーケティングSaaS事業領域が最優先だ。次に、マーケティングやセールスの戦略策定・実行の支援を強化し、マーケティングSaaSの効果を最大化するデジタルマーケティング/セールスの事業領域だ。そして最後に、IT及びクリエイティブの側面から企業の顧客LTVを支援し、マーケティングSaaS、デジタルマーケティング・セールスの効果を最大化するIT/クリエイティブの事業領域が対象領域となる。



また、黒字企業や事業を、合理的なEBITDA倍率でM&Aを行うともに、資本コストの最小化と財務安全性確保を企図した多様な資金調達方法を活用する方針だ。デット調達最優先の方針は堅持するとみられ、金融機関借入だけでなく社債発行などもあるだろう。また、仮にエクイティでの調達を実施するタイミングがきた場合、デット調達→M&A実行→企業価値の向上→エクイティ・ファイナンスというサイクルを回しながら、1株価値の希薄化が生じないようにタイミングよく実行することが必要だろう。



さらに、獲得した事業への経営支援、シナジー追求に加えて、子会社上場なども将来的な1つの選択肢として、グループ企業にインセンティブを与える制度設計などを行いながら、グループ企業の成長を支援する方針だ。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)