14日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比41.35ポイント(0.22%)安の19073.71ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が20.23ポイント(0.30%)安の6741.41ポイントと4日ぶりに反落した。売買代金は1430億8510万香港ドルとなっている(13日は1472億3780万香港ドル)。





利食い売りが重しとなる流れ。ハンセン指数は前日、節目の19000ポイントを回復し、昨年8月10日以来、約9カ月ぶりの高値水準を切り上げた。また、米中対立の警戒感がくすぶっていることや、あす15日は香港市場が仏誕節休場を迎えることも買い手控え要因として意識されている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国の政策期待が根強い中、指数はプラス圏で推移する場面もあった。財政部は13日、超長期特別国債の発行計画を打ち出し、今月17日から30年債の発行を開始すると発表している。これを受けて、金融緩和の観測も浮上。複数メディアが報じたところによれば、市場では国債発行による流動性の縮小を金融緩和でカバーするとの見方だ。(亜州リサーチ編集部)





ハンセン指数の構成銘柄では、ガラス生産の信義玻璃HD(868/HK)が9.6%安、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.9%安、不動産開発香港大手の恒隆地産(101/HK)が3.6%安と下げが目立った。





セクター別では、中国の不動産が安い。雅居楽集団HD(3383/HK)が12.9%、合景泰富地産HD(1813/HK)が4.9%、融創中国HD(1918/HK)が3.6%、中国奥園集団(3883/HK)が3.8%ずつ下落した。





中国の金融セクターもさえない。中国農業銀行(1288/HK)が1.6%安、中国工商銀行(1398/HK)が1.5%安、中国建設銀行(939/HK)が1.2%安、中新華人寿保険(1336/HK)が3.3%安、中国平安保険(2318/HK)が2.3%安で引けた。





半面、「ニューエコノミー」関連銘柄はしっかり。ハンセン科技(テック)指数は0.6%逆行高している。個別では、ライブコマース・プラットフォームの東方甄選HD(1797/HK)が12.5%高、動画配信プラットフォーム大手のビリビリ(9626/HK)と新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来集団(9866/HK)がそろって4.6%高と上げが目立った。





他の個別株動向では、騰訊HD(テンセント00/HK)傘下で音楽配信大手の騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:1698/HK)が7.9%高。同社の1〜3月期決算は24%増益で市場予想を上回った。テンセント株も1.0%高としっかり。テンセントが引け後に発表した1〜3月期決算は、62%増益で予想を上回った。





一方、本土市場は小幅に続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.07%安の3145.77ポイントで取引を終了した。エネルギー株が安い。銀行株、素材株、軍事関連株、海運株、ハイテク株の一角なども売られた。半面、医薬株は高い。公益株、証券株、不動産株、消費関連株の一角も買われた。



亜州リサーチ(株)