週明け20日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比82.61ポイント(0.42%)高の19636.22ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が30.29ポイント(0.44%)高の6964.99ポイントと3日続伸した。ハンセン指数は昨年8月1日以来、約9カ月半ぶりの高値水準を切り上げている。売買代金は1564億76700万香港ドルに縮小した(17日は1793億400万香港ドル)。





内外環境の改善が相場を支える流れ。先週の米株市場で主要指標のNYダウが史上最高値を更新したことや、中国政府が景気支援スタンスを強めていることが好感されている。中国の景気持ち直しペースが加速すると期待された。ただ、上値は限定的。ハンセン指数はこのところの上昇が急ピッチなだけに、売り圧力も高まる状況だ。寄り付き前に発表された実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は予想通り。銀行貸出の指標となる1年物LPRは3.45%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.95%に据え置かれた。(亜州リサーチ編集部)





ハンセン指数の構成銘柄では、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が7.3%高、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が4.9%高、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が4.2%高と上げが目立った。





株価指数を算出するハンセン・インデックシズ(HSI)は17日引け後、四半期ごとの指数構成銘柄の定期見直し結果を発表。ハンセン指数の構成銘柄に、電子機器製造受託サービス(EMS)中国大手の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)を新規採用した(6月11日付で組み入れ)。同社の株価は1.6%高で取引終えた。一方、除外される碧桂園服務HD(6098/HK)株は1.9%安と値を下げている。





セクター別では、産金が高い。前記した紫金鉱業のほか、霊宝黄金(3330/HK)が13.4%、中国黄金国際資源(2099/HK)が8.0%、招金鉱業(1818/HK)が4.7%ずつ上昇した。金相場の先高観が強まっている。中東地域の地政学リスクが高まる中、20日のNY金先物は最高値を再び更新した。





非鉄セクターも物色される。新疆新キン鉱業(3833/HK)が9.4%高、江西銅業(358/HK)が5.4%高、中国アルミ(2600/HK)が5.3%高で引けた。中国景気の持ち直しで、非鉄需要が増えると予想されている。20日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では銅先物が過去最高値を更新するなど、主要産品の価格が大幅上昇している。





半面、中国不動産セクターは急反落。戻り売りで中国奥園集団(3883/HK)が14.3%、世茂集団HD(813/HK)が11.4%、広州富力地産(2777/HK)が10.5%ずつ下落している。不動産支援策が相次ぐ中、同セクターは先週末まで連日で急伸した。





一方、本土市場も3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.54%高の3171.15ポイントで終了した。エネルギー株が高い。非鉄・産金株、発電株、ハイテク株、軍事関連株、運輸株、保険・証券株、消費関連株の一角なども買われた。半面、不動産株は安い。医薬株、銀行株も売られた。



亜州リサーチ(株)