21日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比415.60ポイント(2.12%)安の19220.62ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が144.02ポイント(2.07%)安の6820.97ポイントと4日ぶりに反落した。売買代金は1505億8270万香港ドルとなっている(20日は1564億7670万香港ドル)。





利益確定売りが先行する流れ。ハンセン指数はこのところ急ピッチに上昇し、前日には昨年8月1日以来、約9カ月半ぶりの高値水準を切り上げた。新規の買い材料にも乏しい。中国の重要経済指標は発表がほぼ一巡した。この先は、来週27日に4月の工業企業利益、31日に5月の製造業PMI(国家統計局などが集計)が予定されているだけとなる。また、中国当局は不動産支援策を相次ぎ打ち出すなど、景気支援スタンスを強めているが、いったん好材料が出尽くしたとの見方もあるようだ。(亜州リサーチ編集部)





ハンセン指数の構成銘柄では、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が19.3%安、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が8.4%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が6.9%安と下げが目立った。理想汽車が前日公表した1〜3月期決算は、純利益が前年同期比36.3%減の5億9255万人民元に縮小。市場予想(8億7500万人民元)を大幅に下回った。





セクター別では、自動車が安い。上記した理想汽車のほか、小鵬汽車(9868/HK)が10.5%、蔚来集団(9866/HK)が6.0%、比亜迪(BYD:1211/HK)が4.4%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が2.5%ずつ下落した。





医薬セクターも急落。緑葉製薬集団(2186/HK)が7.7%安、中国生物製薬(1177/HK)が5.8%安、康希諾生物(6185/HK)が5.7%安、百済神州(6160/HK)が4.5%安で取引を終えた。





非鉄・レアアースの銘柄群も売られる。モリブデン中国最大手の洛陽モリブデン集団(3993/HK)が7.2%安、ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が6.7%安、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(769/HK)が5.1%安、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が3.2%安で引けた。





中国不動産セクターの戻り売りも続く。越秀地産(123/HK)が4.3%安、遠洋集団HD(3377/HK)と雅居楽集団HD(3383/HK)がそろって3.5%安、旭輝(884/HK)が3.0%安と値を下げている。政策支援の動きを追い風に、先週は連日で急伸していた。





本土市場も4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.42%安の3157.97ポイントで取引を終了した。素材株が安い。ハイテク株、エネルギー株、消費関連株、医薬株、インフラ関連株、公益株なども売られた。半面、銀行株は高い。通信株、メディア・娯楽株、不動産株の一角も買われた。



亜州リサーチ(株)