いわき市勿来関文学歴史館は、同市勿来町の同館で企画展「語り伝えたい記憶―風船爆弾と学徒動員―」を開いている。9月1日まで。
 太平洋戦争末期の1944年11月〜45年4月ごろの間、いわき市勿来地区や千葉、茨城両県などから和紙とコンニャクのりで作られた約9300発の「風船爆弾」が米国本土を攻撃するため放たれた。また、10代の学生、生徒たちが学徒動員で軍隊が必要とする物資を作る工場で働いたり、食料増産などに尽力したりしたとされている。
 会場には風船爆弾の10分の1模型や球皮の一部、戦中・戦後に発刊された風船爆弾に関する雑誌など、貴重な関連資料約30点が並んでいる。同市出身のアーティスト金沢裕子さんによる戦争の体験談から着想を得た絵画作品なども展示されており、来館者が戦時中の様子に思いをはせながら平和の尊さをかみしめている。
 関連イベントとして、6月9日、7月14日、8月11日の午後2時からギャラリートークを行う。同館学芸員が展示内容について解説する。
 開館時間は午前9時〜午後5時(最終入館同4時半)。毎月第3水曜日休館。観覧料は一般330円、大学・高校・中学生220円、小学生170円。問い合わせは同館(電話0246・65・6166)へ。