訪米中の岸田首相は12日、ノースカロライナ州で記者団の取材に応じ、衆院解散を巡り「先送りできない課題に専念するのみだ。それ以外のことは考えていない」と述べた。

国賓待遇で訪米した岸田首相は、首都ワシントンに続き、南部ノースカロライナ州での視察や会談などの日程を終え、記者団の取材に応じた。

日本国内で野党から早期の衆院解散を求める声が相次いでいることを受け、どのような状況になれば解散に踏み切るのか問われた岸田首相は、「政治の信頼回復、経済をはじめとする先送りできない課題に取り組んでいく。今はそれに専念するのみだ。それ以外のことについては考えていない」と述べた。

一方、来週、告示される衆院の3補選では、自民候補の擁立が島根1区のみにとどまったが、「選挙事情は様々だ」として、「課題に対する実行力をしっかり訴えていく」と述べた。

また、政治資金問題を巡り、安倍派の塩谷元文科相が12日、離党勧告の処分に対し再審査を請求をしたことについて問われると、「処罰については、外部の有識者も含めた党紀委員会において議論を行い、結論を出した」と強調。

その上で、「請求については、今後、総務会においてどのように扱うのか判断される」と述べた。

そして、塩谷氏が「岸田首相の責任も問われるべきだ」と指摘したことについては、「自民党総裁として、政治の信頼回復の先頭に立って努力することによって、責任を果たしていかなければならない」との考えを改めて示した。