大阪・関西万博の開催まで1年を切る中、参加国で1番最初に建築許可の申請を出した「チェコ」のパビリオンがようやく着工する。着工までに、なぜこれだけの時間がかかったのでしょうか。

 

15日、万博の会場・夢洲で地鎮祭を迎えたのは、独自のパビリオンを出展するチェコ共和国だ。

オンドジェイ・ソシュカ政府代表:(着工という)次の段階に進むことができ、非常にうれしく思っています。

パビリオンの建設が始まるまでには、いくつもの試練があった。

チェコのパビリオンは、外装を伝統的なガラスで覆った、独創的なデザインが特徴だ。

チェコは2023年9月、独自に建築するパビリオンを出展する53の参加国の中で、工事を始めるのに必要な建設の許可を一番乗りで大阪市に申請していた。しかし、許可が下りるまでには8カ月の時間を要した。

オンドジェイ・ソシュカ政府代表:チェコパビリオン(の建設)が、技術的に高度なものなので、行政から建物の強度を示すための試験を求められたのです。

このように参加国それぞれが事情を抱え、いまだ半数以上の国が着工していない。

チェコも遅れを取り戻したいところだが、さらに試練が。独創的なデザインゆえに、建築には高度な技術が必要となり、建設業者がなかなか見つからず、契約ができたのは4月のことだった。

オンドジェイ・ソシュカ政府代表:チェコは万博パビリオンの中で、1番難しいと思うが、受けてもらえてよかった。

大末建設 村尾和則社長:それだけの熱意を感じたし、ともにやっていけると思いました。

建設業者は開幕に間に合わせるための、ある”秘策”を打ち出した。

大末建設 村尾和則社長:できれば組み立てる職人さんもチェコから来ていただく。

高度な技術がともなう作業をスムーズに進めるため、チェコから職人を呼び、大阪の作業員と一緒に建設することにしたのだ。

オンドジェイ・ソシュカ政府代表:最も大事なのは『協力』だ。それがなくては成し遂げられない。

万博開幕まで、約11カ月。 チェコパビリオンの完成目標は「開幕に間に合わせる」とのことだ。

(関西テレビ「newsランナー」2024年5月15日放送)