日常的にモラハラをしてくる夫と一緒にいると、いつのまにか自己肯定感が下がり、夫に反発する気力もなくなってきてしまいますよね。けれど、モラハラ夫からなんとか逃れようと、時間はかかっても努力をやめない妻もいます。今回はそんな知人から聞いたエピソードをお届けします。

モラハラ夫の口癖

私の夫は典型的なモラハラ夫で、結婚してからずっと高圧的な態度と人を見下した物言いにうんざりさせられてきました。

中でも私が最も嫌だったのは、夫が家庭に無関心で、2人の息子たちの育児にもほとんど関わってくれなかったことです。

どんなに「少しは子どもと遊んであげてほしい」「もうちょっと家族の時間を持ってほしい」とお願いしても、夫はいつも「金は出してやってるんだから別にいいだろ!」と家庭を思いやることなく、私に丸投げしてきました。

しかも、夫が「十分渡してる」と言うお金の額も、世間的に見て特に多いということはなく、節約しても生活はいつもカツカツ状態……。

夫を見限った妻は……

「このままでは私も息子も夫に縛られたまま、ずっと幸せになれない!」と危機感を感じた私は、夫の手を借りずに子育てをしながら頑張ってコツコツ働き、10年近くかけてついにまとまった資金を貯めることに成功!

その資金を元に、離婚して、息子たちと心機一転新しい生活を始めることにしたのです。
しかし、夫に離婚を言い渡すと……

「お前は人でなしだ!」

夫は、義両親が要介護状態なことを引き合いに出し、「こんな状況で離婚するなんて、お前には人の心がないのか? これまでの恩を忘れたのか? この人でなし!」と私のことを罵倒してきました。

昔の私なら、そんな夫の言葉に心が揺らいだかもしれません。
でももうその時の私は、夫に対しても義両親に対しても一切の情を持っていませんでした。

そこで私は、夫の分の貯金が入った通帳を投げつけ、夫自身がいつも口にしていたお得意のセリフをお見舞いすることに!

「お金は出してあげるから、別にいいでしょ?」

自業自得な結果に

自分がずっと妻に言っていた言葉をそのまま返され、さすがにハッとした夫は、何も言い返すことができませんでした。
もしかしたら、その時初めて夫は自分の過ちに気付いたのかもしれません。ですが、時すでに遅く、結局私と息子たちは計画通りに家を出て、離婚も成立させました。

自分が人にしたことは、結局自分に返ってくるんですよね。
夫は今、仕事と義両親の介護に追われて1人でてんてこ舞いだそうです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの