3月初めから配信中のiOS 17.4では、EU(欧州連合)域内だけでアップル純正以外のアプリストア(代替アプリストア)を使えます。これにより、純正のApp Storeから削除されたiOS版『Fortnite』が、少なくともEUで復活すると期待されていました。

↑EUがにらみを効かせる

 

しかし、アップルは『Fortnite』の開発元・Epic Gamesの開発者アカウントを停止。そのため実現する目がなくなったかと思いきや、急きょアップルがEpicのアカウントを復活させる驚きの展開となりました。

 

EpicはiOS版『Fortnite』のアプリ内課金をめぐってアップルとトラブルがあり、その結果『Fortnite』はApp Storeから消され、両社は長年にわたり訴訟を繰り広げていました。そんな中、EUで代替アプリストアが可能となったことで、Epicが独自にiOS向けゲームストア(Epic Games Store)を展開する道が開けたわけです。

 

しかし、Epicは3月6日、予定していたiOS向けゲームストアが開発できなくなったと発表。アップルの弁護士から送られてきた書簡も公開しましたが、そこにはEpicが「信頼に値しない」と書かれていました。

 

その後、Epicは新たなブログ記事で「アップルは欧州委員会に対して、開発者アカウントを復活させることを表明し、約束してくれました」と発表。

 

そこでは「欧州委員会が施行したデジタル市場法(DMA)は、ゲートキーパー(特定の基準を満たす大規模なオンラインプラットフォーム企業)の責任を追及するために迅速に動くという強いシグナルを開発者に送るものです」と述べています。

 

さらにEpicのティム・スウィーニーCEOは、X(旧Twitter)で「欧州委員会による迅速な調査の後、アップルは欧州委員会とEpicに対し、DMAに基づいて『Fortnite』を復活させ、Epic Games StoreをEUで立ち上げることについて譲歩し、アクセスを回復すると通知しました」と付け加えています。

 

つまり、欧州委員会がアップルの動きににらみを利かせた結果、急に方針転換したようです。

 

アップルの視点では、何が起こったのか? アップル関連情報サイト9to5Macに対し、アップルはEpicとさらなる話し合いを行った結果、EpicがDMAポリシーに従うことを約束したため、開発者契約を再締結したそうです。

 

舞台裏で何が話し合われたのであれ、iOS版『Fortnite』が復活する可能性は高そうです。日本でも再びプレイできる日が来ることを期待したいところですね。

 

Source: Epic Games
via: 9to5Mac