後続車からの追突事故やあおり運転といったトラブルの証拠を取る方法として、後方にドライブレコーダーを取り付けるのが有効です。

この記事では、後方にドライブレコーダーを取り付ける方法を写真付きで解説します。

1. 後方のドライブレコーダーを取り付ける準備

後方のドライブレコーダーを取り付ける作業の前に、まずは3つの準備をおこないます。なお、後方の状況を撮影するカメラのことをリアカメラといいます。

(1)取り付けに必要な道具をそろえる

後方のドライブレコーダーを取り付けるのに、必要な道具は以下のとおりです。

・プラスドライバー:カメラを組み立てる、設置する際に使う
・カークリップ外し:車の内張りを固定しているリベットを外す
・結束バンドやケーブルクリップ:余ったコードを束ねる
・マスキングテープ:設置箇所の目安に貼る
・ニッパー:クリップや結束バンドを切断する
・メジャー:カメラの設置箇所を確認する
・ガラスクリーナー:カメラの設置箇所を掃除する
・クッションテープ:配線に巻くことで異音の軽減や干渉を防止する

以下の3つは、ドライブレコーダーの電源を取る場所によって必要な場合があります。

・2連・3連シガーソケット:シガーソケットの増設が必要な場合
・エレクトロタップや配線付きヒューズ:ヒューズボックスやオーディオから電源を取る場合
・サーキットテスター:ヒューズボックスやオーディオから電源を取る場合

(2)商品の同梱物を確認する

リアカメラの設置作業を始める前に、商品の同梱物を確認します。

商品を購入すると、以下のような機器や部品が含まれています。商品の箱や取扱説明書を確認し、すべての機器や部品が含まれていることを確認しましょう。

・リアカメラ本体
・メモリーカード(microSDカードなど)
・両面テープ
・ブラケット
・ナット
・シガープラグコード
・取扱説明書

(3)取り付ける位置を決める

リアカメラの取り付け位置のイメージ

リアカメラの設置作業を始める前に、取り付ける位置を決めておきましょう。

フロントカメラ(フロントガラスに取り付けるカメラ)は、法律で取り付けられる位置が定められていますが、リアカメラは定められてはいません。広範囲の映像を撮影するために、通常「リアガラス中央辺りの上部」に取り付けられます(商品によって異なるため、取扱説明書を確認)。

上部に取り付けることで、運転中の視界を遮らないだけでなく、映像の歪みも防げます。

ただし、リアカメラを取り付ける位置は、リアガラスにある電熱線(黒い横線のもの)と重ならないようにしましょう。

電熱線は電気をとおし、熱を発することで、リアガラスの結露や曇りを取り除いてくれます。そのため、電熱線に重ねて取り付けると、熱で両面テープの粘着力が弱まり、取れてしまう恐れがあります。

取り付ける位置が決まったら、マスキングテープを貼り付けておきましょう。

2. 後方のドライブレコーダーを取り付ける方法

後方のドライブレコーダーを取り付ける手順を3ステップでご紹介します。

(1)ステップ1:電源を確保する

ドライブレコーダーの電源は、「シガーソケット」「ヒューズボックス」「オーディオ」のいずれかから取るのが一般的です。

電源を取る場所メリットデメリット
シガーソケットシガープラグコードを挿すだけでOK・配線が飛び出るため、見た目が気になる
・引っかかった場合など、電源が抜けてしまう
ヒューズボックス・配線の見た目がきれいになる
・電力供給が安定する
・専門的な知識が必要になる
・付け方を誤ると、ヒューズが飛ぶ恐れがある
オーディオ・配線の見た目がきれいになる
・電力供給が安定する
専門的な知識が必要になる

このなかで、もっとも簡単に電源を取れるのは、シガーソケットを利用する方法です。配線などの専門的な知識は不要で、手軽に利用できます。

シガーソケットのイメージ

ヒューズボックスやオーディオから電源を取るには、専門的な知識が必要になり、誤った方法で取り付けてしまうと、リアカメラやほかの電装品が適切に動作しなくなる恐れがあります。

そのため、車のメンテナンス初心者や整備士並みの知識を持っていない人は、シガーソケットから電源を取るのがおすすめです。それでも、ヒューズボックスやオーディオから電源を取りたい場合は、プロの業者に依頼しましょう。

(2)ステップ2:リアカメラを取り付ける

事前に決めた取り付け位置に、マスキングテープでブラケットを仮止めします。

ブラケットを仮止めしたら、リアカメラを電源につなぎ、撮影映像を確認しながらカメラの位置や向きを調整します。撮影映像は、リアカメラの画面やスマートフォンアプリ、パソコンで確認します。

適切に撮影できていることを確認したら、ガラスクリーナーでブラケットを貼り付ける位置の油分や水分を取り除きます。その後、ブラケットを両面テープで貼り付け、ナットを締めてカメラの向きを固定しましょう。

なお、撮影映像の確認は、映像を確認する人とカメラの向きを調整する人の2人体制がおすすめです。

(3)ステップ3:配線を整理する

配線を整理しなければ、電源とリアカメラをつなげるコードが車内に垂れて、車の乗り降りや運転の邪魔になります。また、車内の美観にも悪影響を与えるため、配線を整理し、目立たないように隠しましょう。

①電源とリアカメラをつなげるコードを整理する

助手席の足元から後部座席の足元に配線するイメージ

電源とリアカメラをつなげたコードが目立たないように、助手席と後部座席の足元を這わせます。内張りを外して隠す方法もありますが、内張りを外すのが不安な人は、フロアカーペットの下を這わせるのがおすすめです。

後部座席の足元からリアカメラに配線するイメージ

助手席の足元から後部座席の足元をとおし、トランクルームにあるコードをリアガラスのウェザーストリップ(テールゲート開口部のゴム部分)を外して中に押し込みましょう。

なお、トランクルーム内にあるコードは以下の画像のように配線します。

後部座席からトランクルームへの配線

なお、配線をよりきれいに隠し、目立たせたくない場合は、さきほどと同じように内張りを剥がして隠す方法や、ドアパネルの中をとおして隠すなどの方法もあります。しかし、これらの方法は専門的な知識や道具が必要になるため、リアカメラの取り付けを含め、プロの業者に依頼するとよいでしょう。

②余ったコードをまとめる

車内でコードが散乱すると見た目の悪さはもちろん、配線が絡まったり、邪魔になったりするため、結束バンドやケーブルクリップを使い、コードを軽く束ねましょう。コードにクッションテープを巻くことで、走行中の振動などで音が出にくくなります。

また、両面テープ付きのコードクリップを使えば、束ねたコードを邪魔にならない場所(車内の側面や足元など)に貼り付けられます。

3. 後方のドライブレコーダーを取り付ける重要性

後方のドライブレコーダーは、交通事故の原因や自身の安全運転を証明するうえで重要になります。

ドライブレコーダーを取り付けておくことで、後続車からの追突事故やあおり運転、バック時の接触事故などを撮影できるため、接触者や証人とのトラブルを防げるでしょう。

また、車上荒らしや当て逃げなどのトラブルにあっても、映像があれば犯人特定が容易になります。

4. 前方にもドライブレコーダーを取り付けるのがおすすめ

事故の原因や自身の安全運転を証明するという点では、後方だけでなく、前方にもドライブレコーダー(フロントカメラ)を取り付けておくのがおすすめです。リアカメラは後方しか撮影できないため、前方で起きた事故やトラブルには対応できません。

前方と後方の映像を撮影する場合は、フロントカメラとリアカメラがセットになった「2カメラドライブレコーダー」を取り付けます。すでにリアカメラを設置している場合は、追加でフロントカメラを設置することになります。

くわしくはこちらの記事で解説していますので、前方にもドライブレコーダーを取り付けたい場合はご覧ください。

5. 後方のドライブレコーダーの取り付けを業者に依頼する際の費用相場

後方のドライブレコーダーの取り付けを業者に依頼したい場合、店頭で商品を購入し取り付けてもらう、または、別途購入した商品を取り付けてもらうことなります。

そのため、取り付け費用は購入する店舗やドライブレコーダー、電源の取り方、依頼する業者によって変動しますが、2〜5万円(本体代込み)が相場です。

取り付けを依頼できる業者は、以下のとおりです。

・カーディーラー
・カー用品店
・自動車整備工場
・出張取り付けサービス

自動車整備工場や出張取り付けサービスを利用する場合は、自分でドライブレコーダーを購入する必要があります。ドライブレコーダーの選定を業者に相談したい場合は、カーディーラーやカー用品店で購入、取り付けてもらうのがよいでしょう。

6. ドライブレコーダーの取り付けはグーネットピットにご相談ください

ドライブレコーダーは、交通事故やトラブルが起きた際の重要な証拠になることから需要が増加しています。とくに、後方のドライブレコーダーは、近年問題視されているあおり運転の対策として有効です。

ドライブレコーダーの取り付けは一見簡単そうですが、配線の処理など専門的な知識や技術を必要とする作業があるため、自分で取り付けずにプロの業者に依頼したい人は多いでしょう。

プロの業者に取り付けを依頼したい場合は、グーネットピットにご相談ください。豊富な知識と経験を持つスタッフが、商品選びから取り付けまで丁寧にサポートいたします。

https://www.goo-net.com/pit/

著者:グーネットピット編集部