これまでにも少し触れたことがあるが、どんどん作動が遅くなるワイパーモーターがついに停止。ワイパーアームを立てて無負荷にすれば動くものの、ガラスは拭いてくれない。車検もこのままでは危ういので、もう新品は出ないワイパーモーター を分解して自力リビルドを敢行。TV系よりも元々作動が遅いので、完成してみても「あーこんなものなのかー」なのだが、ちゃんと雨の中視界が確保できたのは嬉しいぞ。

■ Photo&Text Masahiro Kan 

SUBARU サンバー 2007年式LE-TV1
SUBARU サンバー 1995年式V-KV3

ブラシを一方向に削って慎重に整形する!

 ピカピカになるのは気持ちいいし、表面の荒れた部分がなくなっていく。

 ここまで完成したら、#400サンドペーパーでサラッと表面を荒らす程度に整流子を研磨。

 今までピカピカだった面がヘアライン状になって残念だが…要するに表面積を稼ぐために荒らすのだ。
 
 今度は整流子幅にカットした#400のサンドペーパーを整流子面と反対(外側にサンド面)にマスキングテープで固定する。

 先ほど仕上げたブラシをブラシホルダーに入れて、プレッシャースプリングをかけずにサンドペーパーがついたローターを挿入してスプリングをかける。

 ブラシがサンドペーパー面にあたるので、ローターを一方向だけに回転させながら、ブラシを削って整形していく。ブラシホルダーにはガタがあるので、回転方向だけ決めて削っていく。

 ブラシの形状を目視で削れたのを確認し、整形が終わったらスプリングを緩めてからローターを抜くと整形終了。

 ローターの整流子の隙間はハイマイカ(溝同士の通電防止)のために溝をパーツクリーナーとブラシで洗浄した後、溝をカッターの刃を使用して細部までゴミを落としておく。

 これで仕上がった!

ローターは切削粉でかなりカーボン粉が堆積する。ハイマイカ防止のために溝はカッターの刃などでキレイに清掃しておく。
写真が重複してしまうが、スプリングはこの位置でテンションがかかっている。ホルダーの上側にひっかける。紛失に注意したい。
中古の方もアタリ面だけは整形した。非常にコンディションが良いので、これを装着し、現用品をスペアで保存しておくことに。

左写真は正規位置と組み込んでズレたアーム位置。右は一度通電させてモーターが停止した状態。いくらかズレているのがわかる。

真ん中の接点コンタクト(Lo側)が多少減っていたので、スポンジパッドで軽く磨いて薄くグリスを塗ってそのまま装着。
中古の方の樹脂ギヤの周りのグリスは十分粘度があった。スライダー部分にスパークによる黒化があったので綿棒で周囲のグリスと混合。
アーム位置が若干ずれるので、一度通電させて、モーターが停止したら、ワイパーアームの位置を修正しておく。
ウインドウがドライ状態ではワイパーは絶対に作動させないようにした。モーターに過大負荷がかかるので、損傷を早めてしまう。
ワイパーモーターを外すときに外す必要があるスピーカー。エッジが欠落したりボロボロだ。見ちゃったから次はこれの修復をトライ。
K#系のワイパー周りの配線図。すべて共通だ。中古モーターを探す場合にはどれでも使えると判明したので確保はラクだ。
[pit_call name=故障・修理 slug=repair]

著者:内外出版/オートメカニック