『Resurgence』アメリカ・カリフォルニア州オンタリオ TOYOTA ARENA(2024年5月11日※現地時間)
○ザック・セイバーJr.vs棚橋弘至×

 ザックが棚橋とのシングルマッチで約5ヶ月越しの雪辱に成功。今夏G1 CLIMAX制覇を自らに義務付けた。

 1・4東京ドーム大会では、社長就任直後の棚橋に敗れてTV王座を失っていたザック。オンタリオ大会を前にシングル再戦を申し入れて決まった一戦だった。

 やはり序盤から、じっくりと“プロ・レスリング"をぶつけ合う深みある攻防を展開。中盤過ぎには回転エビ固め合戦に発展し、棚橋が体重を後ろにかけての丸め込みでドーム再現を狙った。

 だが、ザックも今回はしっかりキックアウト。逆にダルマ式ジャーマンをヨーロピアンクラッチで切り返すと、“逆"スリングブレイドを発射だ。棚橋のドラゴンスクリューも自ら回転して阻止し、最後はネックツイスト→ザックドライバーと畳み掛けて一気に3カウントまで持ち込んだ。

 約5ヶ月越しの雪辱に成功したザックは、棚橋に深々と一礼して敬意を示した。「東京ドームでのリベンジ以上の意味がある。タナハシサンは新日本プロレス歴史上でも最も重要なレスラーだ。新日本プロレスが最も沈んでいた頃、独力で新日本プロレスを存続させ続けた」と説明したザックは「俺は新日本プロレスに入った時から『トップになりたい』と言い続けてきた。外国人レスラーのトップじゃなく、新日本プロレスのトップレスラーにだ。よく考えてのことだった。我々の新しい社長、タナハシに見せたかったんだ。俺こそが、この会社を未来に導くのに最適なレスラーだということを」と続けた。

 さらには「最近の新日本プロレスは、誰でもそれまでの実績なしで出てきて挑戦する」と問題提起したうえで、「今夜のメインイベント後に出ていって『ダーリン、タイトル戦をやらせてくれ』と言うこともできるが、それは俺のやろうとしている方法じゃない。俺はトップに立ちたい。唯一の方法は、それを自分自身で証明することだ。それを証明するには『G1 CLIMAX』で優勝しなければいけない。世界ヘビー級タイトルマッチでもう二度と負けるわけにはいかない。俺は3回負けた。『G1 CLIMAX 2024』で優勝し、そして初めて世界ヘビー級選手権で勝つつもりだ」と今夏G1制覇を自らに義務付けた。

 「俺は東京ドームのメインイベントで初めて勝利を収める外国人選手になるんだ。そして俺は間違いなくトップレスラーになる。新日本プロレスだけではない。日本だけでもない。世界のトップレスラーだ」。棚橋からの意義ある勝利で、ザックがいよいよ新日本の“トップ獲り"に本腰を上げた。