旭川市内の病院の小児病棟に動物園の動物たちが次々と現れました。入院中の子どもたちは大喜びです。

入院中の子ども
「うわっすごい!すごい動いているんだけど!」

 タブレットを見て大感動の男の子。何を見ているのか、というと…。

旭川市旭山動物園 坂東元統括園長
「うわーこれバクッとやられるぞ!」

 旭川医科大学病院の小児病棟にライオンが出現…したように見えます。しかも、大きさは、本物と同じです。

谷本洋記者
「病院のロビーですが、タブレットをこちらに振ってみると、いるのはペンギンです!」

 タブレットのカメラで撮影した現実の世界に実物大のCGを合成するARと呼ばれる技術を使った「バーチャルどうぶつえん」です。

入院中の子ども
「あっいた!かわいい!とても楽しかった。いろんな動物がいて、でかくて」
保護者
「あと1か月入院で退屈そうだったので、こういう体験があるのは助かる」

 実際にはいない動物が実物と同じ大きさで表示され、後ろに回り込むと動物の後ろ姿も観察することができます。

 これは、動物のすばらしさや環境問題に興味を持ってもらおうと旭山動物園と神奈川県のIT企業が共同で開発を進めているもので、今回、入院中で動物園に行けない子どもたちに体験会を開きました。

 動物が大好きな塁斗(るい)君はペンギンに興味深々。坂東統括園長と一緒に体をかがめて大きさを体感します。

佐藤塁斗くん(10)
「動物園では見られない近さで見られたので、とてもうれしかったし、楽しかった」

旭川市旭山動物園 坂東元統括園長
「あんなキラキラした目になって、それが元気につながって、入院でつらい思いもあると思うが、みんな乗り越えてくれたらと思う」

 旭山動物園などはさらに改良を重ねて今年度中に実用化をし、イベントなどで活用するということです。

 動物のCGは、旭川市旭山動物園が監修したため、動物の質感や動きはかなりこだわっていて、あまりのリアルさに、20分以上タブレットを操作していた子どもいたそうです。