知らないうちに高額請求が届く…子どもの「ゲーム課金」にご注意ください!

 札幌市のクラーク記念国際高校です。対戦型のゲームで行う競技「eスポーツ」の専攻コースがある先進的な学校です。

学生
「みんなとコミュニケーションも取れるし、チームゲームなのでそういうところも楽しいです」
「大会で優勝しました」
「ゲームに関わる仕事やエンジニアとかを目指してみようかなって考えてます」

クラーク記念国際高校 福島啓友教諭
「社会の理解や保護者の理解がどんどん進んできているなと感じます。(生徒数は)結構右肩上がり]

 若者を中心に人気の「eスポーツ」。
 日本国内における市場規模は、ここ数年で急拡大していて、来年には210億円を超えると予想されています。
 その一方で、ゲームにまつわるこんな問題も…。

ITジャーナリスト 高橋暁子さん
「実際、多くの調査で、コロナ禍以降ゲーム依存やゲーム課金のトラブルが増えている」

 いま問題視されているのが「ゲーム課金」です。
 未成年の子どもが親に無断でオンラインゲームに課金してしまい、知らないうちに高額請求が届くトラブルが全国で相次いでいます。
 無断課金を防ぐにはどうすればいいのか。「ゲーム課金」の危険性を、もうひとホリします。

 ゲームについて街の人に聞いてみると…。

専門学校生(18)
「学校行くとき、電車1時間半ぐらいかかるので、そのときに(ゲームを)やっています」
高校3年生
「(ゲームをやるのは)2〜3時間ですかね。通学のときとか、バイトが終わった後とか」

 スマートフォンの普及で、誰もが手軽にインターネットにアクセスできる時代。
 通学や通勤途中など、ちょっとした時間にゲームをする人が増えています。

 街行く人にゲーム課金について聞いてみました。

専門学校生
「(いくらくらい課金した?)3000円くらい」
「2000円くらい。(どうして課金しようと思った?)好きなアニメとコラボだったのでキャラが欲しくて」

 道具や衣装といったゲーム内で利用できるアイテムなどを購入する「ゲーム課金」。
 いま、親に無断で課金する子どもが増えています。

 国民生活センターによりますと、2022年度の1年間に保護者から寄せられた子どものオンラインゲームに関する相談は、およそ4000件。
 多くが保護者に無断で課金していて、そのうち半数が小学生によるものでした。
 課金額の平均は、およそ33万円で、中には100万円を超えるケースもありました。
 この現状について、ITジャーナリストの高橋暁子さんは…。

ITジャーナリスト 高橋暁子さん
「子どもがちょっと工夫をして、課金の壁を乗り越えているというケースは非常に多いです。子どもが友だちから、自分の指紋を認証で登録しておけば、次は自分の指紋だけで課金ができるんだよという情報を得て、指紋を登録して課金していた」

 生まれた時からインターネットやスマートフォンが身近にある環境で育った「デジタルネイティブ世代」の子どもたちは、あらゆる制限をかいくぐって課金する可能性があると言います。
 子を持つ親は、どんなことに気をつければよいのでしょうか。

ITジャーナリスト 高橋暁子さん
「カードの明細書やアプリストアの領収メールを毎回確認して、なるべく早く気がつく。あくまで無断での高額課金が問題なので、『どうしてもしたいときは相談してね』『いざというときは話を聞くよ』と伝えておくことで防げることも多いです」  

 ITジャーナリストの高橋暁子さんによると、子どもがゲームに課金する原因として多いのが、「親の使い古しのスマホを使わせている」ケースです。
 なぜかと言うと、「スマートフォンに登録されたままの親のクレジットカードなどを利用」するリスクがあるんだそうです。
 使い古しのスマホを与える家庭も多いと思いますが、注意が必要です。

 また、子どもが勝手に課金してしまった場合、そのお金はどうなるのでしょうか?
 大川哲也弁護士によると、「民法では保護者の同意がない未成年者の契約は原則、取り消すことが可能」だそうです。
 しかし、親のクレジットカードを利用した場合、未成年者が利用したことを立証するのが難しく、取り消せない場合もあるとのことでした。

 課金させないために親ができることはあるんでしょうか?
 ITジャーナリストの高橋暁子さんによりますと
 ▼決済の際は毎回パスワードなどを入力
 ▼クレジットカードなどの利用明細は毎回確認
 ▼スマートフォンの利用を制限する機能を使う
 ▼子どもが親に相談しやすい環境づくり
 などが必要ということです。

 子どもに防犯目的でスマホを持たせることもあると思いますが、使い方など、しっかり家族で話し合って対策をしましょう。