NHKは26日、女優の今田美桜(27)がヒロインを務める来年前期の連続テレビ小説「あんぱん」(月〜土曜・前8時)で、漫画家・絵本作家のやなせたかしさん(13年死去、享年94)をモデルにしたヒロインの夫・柳井嵩(やない・たかし)役を「DISH//」のメンバーで俳優の北村匠海(26)が演じると発表した。北村は朝ドラ初出演となる。

 同作は、国民的キャラクター「アンパンマン」の生みの親として知られるやなせさんと小松暢(のぶ)さん夫妻がモデル。高知で育ったヒロイン・朝田のぶ(今田)が、気弱な青年・嵩と出会い、戦争を経て新聞社で再会。上京後に結婚し「アンパンマン」を生み出すまでの夫婦の物語が描かれる。

 この日会見した北村は、19年前期の朝ドラ「なつぞら」のオーディションに落選した過去を明かし「朝という時間に僕の顔は合わないのではと思っていた」と回想。今回のオファーに「『なんで僕なんでしょう』と聞いたときに、ライブで自分のモットーとして『10分後に命を落とすかもしれないから、今をどう生きるか』と一人語りしていた言葉がきっかけだと言われて。やなせさんは生きることのすばらしさを『アンパンマン』やいろんな作品に落とし込んできた方。自分の思いや感情が役に出会わせてくれた」と運命に感謝した。

 今田とは恋人役を演じた「東京リベンジャーズ」シリーズなど共演歴も多く、今作で6度目の共演。今田が「本当にホッとして、何も心配することないなと思った」と信頼感を明かすと、北村も「今回の役を知る数日前に、パリからの帰りの飛行機で偶然会ったんです。巡り合わせを感じました」と絆の深さをのぞかせた。

 〇…「あんぱん」制作統括の倉崎憲氏は、ヒロイン決定前から北村を夫役の候補として考えていたと明かし、オーディションで今田がヒロインに決定したのを受け正式にオファー。史実では暢さんはやなせさんの1歳上で、今田も北村の1歳上。「バランス的にもピッタリ」と満を持しての起用となった。今作の制作にあたり、アニメ「それいけ!アンパンマン」を放送中の日本テレビにもあいさつに出向いたといい「局の垣根なく、日本全体が盛り上がれば」と期待した。