NHK総合「あさイチ」(月〜金曜・午前8時15分)は8日、「親を家で看取(みと)る」ことをテーマに、エッセイストの内田也哉子さんが両親の「最期」について語ったインタビューを放送した。

 2018年に亡くなった女優の樹木希林さん(享年75)と、19年に亡くなったミュージシャンの内田裕也さん(享年79)の長女。夫は俳優の本木雅弘、長男のUTAはモデル、長女の内田伽羅は女優として活躍している。

 生前、希林さんは「夢は自宅で、日常の中で命を閉じることだと言っていた」という。希林さんから「そろそろ家に帰りましょう」と言われたことで、也哉子は自宅で「最期を看取る」決断ができたと明かした。

 1か月ぶりに帰宅した希林さん。也哉子さんは当時の母の様子について、「『私に気を遣いすぎないで』、『家族も医療の方々もそれぞれがケアしやすいようにやってください』と筆談で。最後の最後まで気になっちゃう性格なんだね、とみんなで笑いながら話しました」と振り返った。

 その日の夜、「小さな声でしたけど、(母が)『ありがとう』とゆっくり3回続けて言ったんです。まるでこれで終わりみたいだからやめてよ、と」。その数時間後に希林さんの容体が悪化し、家族を集め、離れて暮らす裕也さんとはスピーカーモードにした電話でつなげたという。

 「裕也が『啓子(希林さんの本名)、しっかりしろ!』って。そうしたら(母が)私の長男、彼女の孫(=UTA)の手をぎゅーって、ものすごい握力で握って、息子がびっくりして。全部聞こえているよという形で、みんなが同じ空気を共有できた」と、母の“最期”の様子を話した。

 自身の経験を振り返り、自宅で看取ったことについて、「運良く、ほんの最期の瞬間ではあったが、(母の)願いを叶えられた。自宅で看取れたことの良さはかみ締めている。母が『家に帰ろう』と言ってくれなかったら、私は入院という形を続けていた。母が願いを言葉で私たちに伝えてくれて本当に良かった」とコメントしていた。