札幌市出身の演歌歌手・小山雄大(21)が17日、報知新聞北海道支局を訪れ、デビュー曲「道南恋しや」をPRした。

 「全国民の孫」というキャッチフレーズで4月にメジャーデビューした新星は「2歳から演歌が好きで、物心ついた時から演歌歌手になりたいと思っていました。その夢がかなって本当にうれしい」とあどけなさが残る表情で語った。

 4歳から祖父の影響で民謡を習い、小学2年生では三味線も弾き始めた。伸びやかな歌声を持ち、才能はすぐに開花。2009、11、15年に「道南口説節全国大会」の幼年の部、少年一部、少年二部でそれぞれ優勝するなどタイトルを総ナメした。

 中学1年時にはNHK「のど自慢」のチャンピオン大会で優勝を果たした。その後は作曲家・弦哲也氏に師事した。「のど自慢で弦先生から声をかけていただきました。中学の時は2か月に1度、先生を訪ね、レッスンしてもらいました。高校進学を考える際に東京に出た方がもっとレッスンの回数も多くなるかもしれませんし、いろいろとチャンスがあるかと思いまして…」。中学卒業と同時に母親と一緒に上京。さらに鍛錬を積んできた。

 女手一つで育ててくれた母はメジャーデビューに「母は電話口で『小さい頃からの夢を諦めなくてよかったね。頑張ってきなさいよ』と言ってくれました。ようやくスタートラインに立てました」と実感を込めた。

 「道南恋しや」は、作詩をさわだすずこ氏、作曲を弦氏が手掛けた。ユーチューブでは12万回再生を数え、幅広く注目されている。「一回一回、見ていただけるファンのおかげです。話題性があるのかなと思い、びっくりしています。ありがたい限りです」と話す。

 デビュー曲はロングトーンで幕を開ける。北海道の雄大な自然と故郷への思いが描かれた曲。「出だしは北海道と東京の遠い距離を表していて、聴き所かと思います」。歌詞に出てくる地名は縁がある場所ばかりで、「登別は祖父母が住んでいて、江差は民謡大会があった場所で、奥尻は祭りで三味線を見て、民謡を始めるきっかけになった所。夢を実現するまで絶対に故郷に帰らないという作品なので、自分が重なります」と明かした。

 自慢の歌声とともに腕を磨いたのがトランプのマジックだ。今ではプロ級のレベルで特技にしている。「小学5年の時に流行したんですけど、1か月ぐらいで飽きてしまって…。高校1年の大みそかに部屋を掃除していると昔使っていたトランプが出てきて、マジックをやってみたところ、ハマりました」。マジックのDVDやユーチューブをスロー再生して技を習得した。まだステージ上では披露したことがなく、今後、マジックがもう一つの武器になるかもしれない。

 北海道内での活動は、6月14日に札幌市中央区の「ミュージックショップ音楽処」を始め、15日には同市北区の「コーチャンフォー新川通り店」などでデビューイベントの開催を予定している。

 大いなる夢を抱く小山は「支えて下さった方々にこれから恩返しできるよう頑張りたいと思ってます」と声を大にした。