米大リーグのジャイアンツを退団し、古巣・DeNAと3年契約を結んだ筒香嘉智内野手(32)が18日、本拠地・横浜スタジアムで公開入団会見に臨み「一番のモチベーションが横浜で優勝を目指すこと」と、詰めかけた約9600人のファンへ誓った。

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 「横浜の空高く、ホームランかっ飛ばせ筒香!」。雨が降りしきる中、9600人のファンが歌うかつての応援歌が聞こえてきた。筒香は緊張した面持ちで5年ぶりとなる本拠地をかみ締めて歩いた。渡米後から空いたままの「25番」のユニホーム姿も披露し「かなり鳥肌が立っている。応援歌を聴いた時の気持ちの高ぶりは(以前と)変わらなかった。また、横浜スタジアムで野球ができる喜びをかみ締めています」と、頬を緩めた。

 メジャーの夢を捨てきれない思いもあった。「(3月に)ジャイアンツを退団して、日本に復帰するモチベーションが上がらなかったのは事実」と明かしたが、南場オーナーからの熱いラブコール、つながりを持ち続けてくれた球団の熱い気持ちが心を動かした。「自分の頭を整理していく中、一番僕のモチベーションとなるのが横浜で優勝を目指すということ」。育ててくれた球団で悲願を達成する覚悟を決めた。

 過去はもう振り返らない。「アメリカでの4年間は毎日生きるか死ぬかのような勝負の日々だった」。19年オフにポスティングでレイズへ移籍し、ドジャースなどを渡り歩くも、メジャーでは2度のマークした8本塁打が最高。腰痛などにも悩まされ、米独立リーグでプレーした時期もあった。

 NPB205発を誇るも「プロは結果の世界。勝負の世界にポジションを『はい、どうぞ』ということはない。プレーでポジションを取りにいくだけ」と立場を新たに確立していく。

 会見には同僚としてプレーしていた三浦監督が「おかえり」とサプライズで登場。ジ軍退団が決定して数日後、指揮官から「おい、帰ってこいよ」と15秒ほどの電話があった。「お疲れさまです。また連絡させてもらいます」と動揺するも、番長なりの“男気オファー”も響いた。開門前には約1000人のファンが列を作るなど期待は大きい。「優勝という気持ちを持ってプレーしたい。シーズンが終わって(ファンの)皆さんと喜べるように」。背番号「25」が波に乗りきれないチームの最強のピースとなる。(内藤 菜月)