大相撲の春巡業は19日、神奈川・川崎市で行われ、地元出身の友風(二所ノ関)が大歓声を浴びた。午前中はぶつかり稽古に参加。大の里(二所ノ関)と熱海富士(伊勢ケ浜)を従えた質問コーナーでは軽妙なトークで沸かせた。

 先場所は西十両3枚目で9勝6敗。2場所ぶりの再入幕も濃厚になった。「ケガなく終えて、9番勝つことが出来て、川崎の巡業にも参加することができました。本当にうれしいです。大歓声は励みになります。自分には目標はあまりありません。大歓声を浴びて、それに応えるために土俵に上がるだけですから」。

 地元とあって母・奈美さんら多くの関係者が支度部屋を訪れ、サインに応じていた。右膝の大けがで4度の手術、5カ月に及ぶ入院生活。何度も心が折れそうになったが、支えになったのが全身を包み込むような大声援。関係者によるとすでに来年4月に再び川崎巡業が開催されたことも決定。「ケガなくまた戻ってきたいですね」という思いが数少ない目標かもしれない。