◆春季群馬県大会 ▽2回戦 前橋商4―1東農大二(20日・藤岡市民)

 今秋ドラフト候補に挙がる前橋商の192センチ右腕・清水大暉(3年)が、9回5安打1失点完投で春の初戦を突破した。

 3点リードの4回2死から四球でこの日初めて走者を許し、盗塁、右前適時打で失点。5回も1死三塁のピンチを招くと、さすがにギアを入れ替えた。直球を続けて空振りを奪い、二ゴロで本塁タッチアウト。8回1死三塁からも反撃を許さなかった。5回を除き、毎回の8奪三振。135球を投げ、「失点した場面以外は、要所で力を入れて抑えられた」とうなずいた。

 プロ7球団のスカウトが視察し、自己最速にあと2キロと迫る146キロをマーク。ヤクルト・橿渕スカウトグループデスクは「打者や状況を見ながら投げていた。まだまだ体ができていないけど、146キロが出る。これだけ大きくて、楽しみ」と評した。

 昨夏は背番号11で甲子園に出場。体幹を鍛え、7キロ増の体重92キロとなったエースは、さらにステップアップを見据える。「最近は調子が良くなくて、直球がカット気味になる。きれいな縦回転になるように見直したい。春の関東大会に出て、より加速して夏に入りたい」。センバツ王者の健大高崎の前に大きくそびえ立つ。(雑誌『報知高校野球』取材班)