◇明治安田J2リーグ▽第11節 秋田2―1千葉(21日・フクアリ)

 ブラウブリッツ秋田がアウェーで千葉と対戦し、2―1で劇的逆転勝利を収めた。後半2分、DF蜂須賀孝治(33)が2枚目の警告で退場。1人足りない中で同21分に先制されたが、同45分にFW半田航也(25)が同点弾、アディショナルタイム(AT)7分にはDF才藤龍治(31)が勝ち越しヘッドを決めた。途中出場の2人の得点で難敵を沈め、順位はプレーオフ(PO)圏内の6位に浮上した。

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 小雨の中で、秋田イレブンの歓喜のダンスが始まった。まだ残り27節あるが、千葉まで駆けつけたサポーターの中には大逆転勝利に涙ぐむ人もいた。吉田謙監督(54)も、感極まった一人だ。「選手たちの信じ合う力。本当に素晴らしい勝利でした」

 前半のシュート数は1対9。後半開始直後には、前半で唯一のシュートを放った蜂須賀が退場に。一気に仕事が増えたのは、GK圍健太朗(32)だ。好セーブを連発していたが、相手のヘディングをはじいたところをピンボールのように左足で押し込まれ後半21分に先制された。

 同42分に投入された半田が「迷わず振り抜くだけだった」と意地を見せたのは同45分だった。DF岡崎亮平(31)からのパスを左足でたたき込み「ワンチャンスに懸けるのが自分の持ち味」と笑顔をみせた。

 選手たちは同点で満足していなかった。PKに失敗した直後のAT7分、蜂須賀退場後に投入された才藤が左CKに頭から飛び込んで逆転。シュート数5対25の試合に勝利し「仲間を信じた結果」と喜びを爆発させた。

 直近5試合で3勝2分けと負けなしでPO圏内に突入。才藤は「試合前から入るぞ、と話していた。まだ先は長いけど、全員でそこ(J1)を狙っていきたい」と意気込んだ。(甲斐 毅彦)