◆第69回京王杯スプリングC・G2(5月11日、東京・芝1400メートル、良)

 第69回京王杯スプリングC・G2が11日、東京・芝1400メートルで行われ、1番人気のウインマーベルがゴール前の激しい叩き合いを鼻差で制して重賞4勝目。良馬場で本領を発揮し、高松宮記念12着から巻き返した。

 わずかに差し返していた。ゴール前、5歳馬2頭の追い比べを制したウインマーベルが、重賞4勝目をもぎ取った。「一度はかわされたかなと思いますが、マーベルが最後までしっかり頑張ってくれました」。勝利へ導いた松山はパートナーの“ど根性”をたたえた。

 昨年の1、2着馬が激しいデッドヒートを繰り広げた。好位から抜け出したウインマーベルに、外を伸びて残り100メートル付近で一度は先頭に立ったレッドモンレーヴ。連覇かと思われたが、息を吹き返したウインが少しずつ盛り返し、鼻面が合ったところがゴールだった。写真判定で出た着差は約4センチ。深山調教師は「根性がありますね」と厩舎の看板馬に最敬礼だ。

 前走の高松宮記念は湿った馬場や外枠が響いて力を出せずに12着だったが、「前走後も疲れを見せていなかった」と指揮官。G1のダメージもなく臨んだ今回は良馬場、重賞連勝中の1400メートルと得意の条件できっちり結果を出した。

 昨年は半馬身差で届かなかったタイトル。リベンジに成功した松山は「悔しい思いをしましたけど、しっかり勝ち切ってくれて成長を感じます。まだまだやれる馬だと思います」と今後の活躍にも期待をかけた。

 優先出走権を得た安田記念(6月2日、東京)の出走についてトレーナーは「オーナーと相談して決めます」と話すにとどめたが、G1を狙える有力馬の一頭として、今後も短距離路線を盛り上げていく。(浅子 祐貴)

 ウインマーベル 父アイルハヴアナザー、母コスモマーベラス(父フジキセキ)。美浦・深山雅史厩舎所属の牡5歳。北海道新冠町・コスモヴューファームの生産。通算23戦7勝。総獲得賞金は3億8246万9000円。重賞4勝目。主な勝ち鞍は22年葵S・G3、23年阪神C・G2、24年阪急杯・G3。馬主は(株)ウイン。