創立90周年を迎えた巨人。巨人での出場試合が多い野手、投手を中心に記録にも記憶にも残る歴代の「偉人」を紹介します。第27回は高田繁。

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 「V9時代の名左翼手」が高田繁だ。

 1945年7月24日、大阪府出身。浪商から明大に入り、大学1年秋から7季連続ベストナイン。67年ドラフト1位で入団し、背番号は8。原辰徳に譲る81年まで「エイトマン」と呼ばれた。

 1年目の68年、開幕戦で7回から守備につき8回に初打席初安打。2戦目から1番・中堅でスタメンに入った。6月頃からは左翼に定着し、120試合、打率・301、23盗塁で新人王を獲得。阪急との日本シリーズも全6試合に1番で出場、26打数10安打の活躍でシリーズMVPに輝いた。

 70年には全130試合に出場、71年には38盗塁で柴田勲を抑え、盗塁王となった。走攻守3拍子そろった外野手で、特に外野フェンスに当たったクッションボール処理が得意。二塁打を防ぎ、巨人の先輩外野手・平山菊二と同様、「塀際の魔術師」と称された。

 75年オフ、張本勲の加入により三塁にコンバートされ、76年開幕から三塁。ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデン・グラブ賞)を獲得し、当時初めての内外野両方での受賞者となった。

 80年、35歳の若さで引退。85〜88年に日本ハム監督就任。巨人2軍監督などを経て、2008年から10年まではヤクルト監督を務めた。