陸上男子100メートルで世界選手権2大会連続ファイナリストのサニブラウン・ハキーム(東レ)が21日、今夏のパリ五輪まで所属チームが拠点とするイタリアに向けて羽田空港から出発した。「ヨーロッパで転戦していって、試合勘を戻すとともに、ラウンドをどんどん走れるようにしていきたい」と語った。

 19日に行われたセイコー・ゴールデングランプリでは予選で10秒07をマークしたが、決勝は両脚をつって10秒97の8位だった。それでも「日本の皆さんの前で走るっていうのはものすごく重要な機会。自分が思ってる以上に、たくさんの人が国立競技場に足を運んでくれて、ものすごくうれしかった」と気持ちは高まった。

 五輪切符獲得の条件となる参加標準記録(10秒00)突破には足踏みが続いているが、焦りはない。「心配してくれる方がいっぱいいるので、早く切って安心させたいのはあるけど、遅かれ早かれ絶対出なきゃいけないタイム。逆に出さなかったら、五輪に出る意味もないかなと思っているぐらい。そこはしっかり出して、仕上げていかなきゃいけない」と、不退転の決意を示した。