射水市の新湊漁港のシロエビ漁が今月20日から5月9日までの20日間にわたり長期休漁することが、関係者への取材で分かった。同港の水揚げ量は1日の解禁から18日までで計2894キロにとどまり、前年の1日分にも満たない状況だ。富山県水産研究所は記録的な不漁を受け、5月上旬にシロエビを採集して地震による漁場や生育環境の変化を調査する。

  ●観光船も延期

 新湊漁港のシロエビ漁は、漁解禁日の1日の水揚げ量が例年の5分の1となる421キロと落ち込み、その後も低調が続く。休漁に入る前の18日は142キロ(速報値)で、前年同日の4113キロに比べ約30分の1となっていた。

 漁師からは「記録的な不漁だ」との声も漏れる。例年、不漁に合わせて、1週間〜10日間程度の休漁はあるが、これだけ長期間は経験がないという。漁船「松宝丸」船主の松本隆司さんは「漁獲が少ない状態がこのまま続くと厳しい。(再開後は)豊漁になってほしい」と願った。

 県水産研によると、4月上旬は例年並みの水揚げがあった岩瀬地区でも中旬から減少しているという。原因として生育場所の水温低下に加え、餌となるプランクトンが減った可能性があるという。現時点で地震との関連性は判明しておらず、5月上旬に岩瀬沖でシロエビを採集して地震の影響を調べる。新湊沖でも同様の調査を検討している。

 シロエビの漁期は11月までで、県水産研の担当者は「4月の水揚げが少なくても5月以降に増え、例年通りになる場合もある。今後の変動をみていく」とした。

 休漁に伴い、若手漁師らでつくる「富山湾しろえび倶楽部」は22日から予定していたシロエビ漁見学の観光船運航を5月上旬まで延期する。漁船に同乗して漁を間近で見られる人気の企画で、倶楽部の漁師は「大型連休期間に運休となるのは痛い。早く豊漁となり、多くの人に楽しんでもらいたい」と述べた。