都倉俊一文化庁長官は25日、能登半島地震の被害状況を把握するため、輪島市の石川県輪島漆芸美術館を視察した。地震で大きな被害を受けた同館は、輪島塗の歴史と優美な作品を紹介しており、都倉長官は輪島塗の技法で制作された大型地球儀を見学して伝統工芸継承の重要性に理解を深めた。

  ●現美輪島展の会場候補

 同館は第80回現代美術展(一般財団法人県美術文化協会、北國新聞社、一般財団法人県芸術文化協会など主催)の輪島展の会場候補となっている。髹漆(きゅうしつ)人間国宝で輪島塗技術保存会の小森邦衞会長が案内し、地球儀の制作過程や地震で無傷だったことを紹介した。中山由紀夫副市長と山崎剛館長、宮下正博県議が同席した。

 都倉長官は県立輪島漆芸技術研修所と總持寺祖院、重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)の黒島地区も視察し、県庁で馳浩知事と懇談する。