能登半島地震による輪島朝市の大規模火災で焼失したピザ店「スターピザ」が26日、近江町市場で営業を再開した。市場内の事業者にスペースの一部を提供してもらい、朝市で人気を集めた特製の肉まんを販売。必要な設備が整わず、ピザは販売できないものの、店関係者は商売ができる喜びをかみしめている。

 スターピザは、輪島市河井町の倉康太郎さん(32)と妹の風花さん(31)が2022年3月に開業。ピザのほか、能登豚や能登産シイタケなどの食材を使った肉まんが人気を集めたが、元日の火災で店舗が全焼した。

 風花さんが商いの場を探し求めていたところ、出会ったのが近江町市場に店を構えるダイヤモンド商事の近岡修社長(58)だった。近岡社長は「同じ商売をなりわいにする身として力になりたい」と協力を約束し、店の販売スペースの一角を10月31日まで無償で貸し出してくれた。

 康太郎さんは「支援に感謝しかない。いつか恩返しできるよう頑張りたい」とし、風花さんは「年中無休でやる覚悟。2次避難している輪島の人にも会えたらうれしい」と話した。店ではレモネードやかき氷も取り扱い、ネット注文も受け付ける。