●家の片付け、住民「ありがたい」

 大型連休が始まった27日、能登半島地震の災害ボランティアが続々と能登各地に入り、損壊した住宅で家具の片付けやがれきの撤去などに汗を流した。連休中は活動するボランティアが増え、能登全体で過去最多の300人以上の参加を見込む日もあり、依頼した住民は「家族だけでは片付けられなかった。来てもらえて助かる」と喜んだ。

  ●福井や東京からも

 珠洲市では、石川県が受け付けたボランティアに加え、福井県が派遣した人らを加えて計101人が活動した。午前9時20分ごろに市災害ボランティアセンターに到着した一行は、受け取った手袋、バケツなどをトラックに乗せ、それぞれの活動場所へ移動した。

 大谷町では10人が崩れた瓦の撤去や畳の搬出などに取り組んだ。石川県に知人が多いという岐阜市の佐藤逸代さん(61)は「お世話になった分、助けたい。今後も支援を続ける」と話した。

 輪島市では約70人が作業に当たった。柱が折れて1階が押しつぶされた新橋通の住宅兼店舗では7人が活動し、住居として使われていた2階部分から冷蔵庫や仏壇、布団などを取り出した。倉庫に運び込み、今後も使える家財を選別する。

 連休を利用して東京都練馬区から訪れた派遣社員神(じん)茂行さん(53)は「被害が大きくて驚いた。被災された方が少しでも明るさを取り戻せればうれしい」と意欲を語った。ボランティアを依頼した石部雅治さん(55)は「自分では後片付けが進まないのでありがたい」と感謝した。

 大型連休中、県などはボランティアをしたいと望む人が増えると見込み、全国の社会福祉協議会からの派遣職員や送迎用車両を増やしたりして受け入れ態勢を充実させた。