●能登応援、新幹線沿線を特集

 石川、富山両県の百貨店で中元商戦が今月末から始まる。金沢市の香林坊大和は8階のギフトセンターの開設を今月30日に前倒しする。香林坊大和や金沢エムザは、地震で被災した能登エリアの物品や、北陸新幹線でつながった福井のグルメ特集を打ち出し、夏のギフト需要獲得を目指す。

 香林坊大和は例年5月末〜6月初旬に8階催事場の一部で、早期注文で割り引きが受けられる「早割商品」の取り扱いを始め、その後に催事場全体に拡大して商戦を本格化させてきた。

 今年は能登半島地震を受けて、能登の産品を展示、販売する期間を長くし、支援することを「地元百貨店の使命」(担当者)と考え、センター開設初日となる30日から催事場全体でのスタートとする。

 同店は中元商品約1400点を用意する。中でも、能登の食材を使った商品や能登に立地する食品企業が手掛けた商品を例年より充実させた。カタログで特集し、能登大納言小豆や能登栗などを使ったスイーツ、能登の水産加工品などを紹介している。北陸新幹線敦賀開業にちなんで、越前そばなど福井の特産品も増やした。

  ●富山大和は来月6日

 富山市の富山大和は6月6日〜8月1日に6階ホールでギフトセンターを設ける。能登の復興を応援する商品展開をはじめ、立山連峰の水を使った日本酒や富山県産ブランド「とやま和牛」など地元の商品も充実させて「北陸」を全面に押し出す。担当者は「富山からも能登の復興を後押しできるような売り場にしたい」と話した。

 期間中にはギフトセンター横で施設内の店舗をアピールするブースを設け、館内の周遊を促す。

  ●エムザ、6月19日拡大 石川のグルメを充実

 金沢市の金沢エムザは6月1〜18日、地下1階に「早期承りコーナー」を設け、早期注文で10%または15%の割り引きが受けられる商品を紹介する。同19日には8階催事場で「総合ギフトセンター」を開設させる。

 同店は約1100点の商品を用意する。新幹線敦賀開業の記念企画として、スイーツやソースカツ丼など石川、福井のご当地グルメをアピールする。さらに、ギフトセンターには能登の復興を応援するコーナーを設け、ギフト商品に加えて、高まる自宅用需要に応えるためバラ売りの商品も準備する計画だ。

 顧客の高級志向に対応し、「プレミアムギフト」と銘打ち、石川県産ブドウ「ルビーロマン」や能登牛ステーキなど高級な品も集めた。地元の魅力を送りたいという需要も高く、石川の食である「百万石の味ギフト」は酒類を追加して商品数を充実させた。