市原隼人が「おいしい給食 season3」の思い出深い給食を振り返る「『くじら汁』や『カニメシ』『石狩汁』といった北海道のご当地給食メニューですね」

1980年代を舞台に、給食マニアの中学教師・甘利田幸男の底なしの「給食愛」を描き、幅広い層から人気を得たドラマ「おいしい給食」シリーズ。そのシリーズの完結編となる映画「おいしい給食 Road to イカメシ」が5月24日(金)に公開される。

5月25日(土)には、食の宝庫・北海道の給食を堪能する「おいしい給食 season3」がファミリー劇場で放送。2019年より主人公の甘利田を演じてきた市原隼人にインタビューを行い、シーズン3の見どころや市原の食へのこだわりを聞いた。

――――シーズン3がCSで初放送となります。改めてシリーズの注目ポイントや見どころはいかがでしょうか？

「全編が見どころで、全てが神回だと思っています。撮影中、今できること全てを尽くして挑みました。甘利田として自分を使いたくさん動けるよう、そのために体重も減らし、体もしっかり整えて、腹を決めて役柄に向き合っていますので、皆さんに楽しんでいただける作品になっているかと思います。あえて、というならば、大原優乃さんが演じる新たなヒロイン・比留川先生との甘酸っぱい微妙な関係性が、今までのシリーズにはなかった要素かもしれません。今までのヒロインよりも甘利田との距離が縮まっている故に生まれる空気感も味わっていただきたいですね」

――――シーズン3では物語の舞台が北海道・函館へと移りましたが、撮影時に印象に残っているエピソードは？

「シーズン1〜2までは、撮影は40℃を超える灼熱(しゃくねつ)の夏が主戦場だったんです。 夏の暑い中、走り回って給食食べて、というのが僕らのステージだったのですが、シーズン3ではガラッと変わって、冬が舞台になっただけでなく、北海道函館市という実際の地名が初めて出てきました。そして、第1話の冒頭のナレーションで『ここに来て、思い出したことがある。私は極端に寒がりだった』というセリフがあるのですが、それを台本で読んだ瞬間に『これは面白くなるに違いない！』と思いました。函館は、本当に豊かな土地と豊かな食、そして素敵な地元の皆様に触れ、『日本の宝だ』と改めて感じさせていただきました。ここでロケをさせていただいたことで『おいしい給食』というドラマの、今までになかった表情やシチュエーションを引き出してもらえたので、本当に感謝し切れないです。撮影中も『プライベートですぐに戻ってきたい！』と思っていました」

――――そんな北海道での給食ですが、シーズン3の給食で特に印象に残っているものは？

「『くじら汁』や『カニメシ』『石狩汁』といった、ご当地給食メニューです。鯨の竜田揚げは、いろいろな地域でも給食の献立に登場していると思いますが、くじら汁に入っている塩鯨は初めて頂きました」

――――市原さんが演じている甘利田は、給食前の校歌の時間に大はしゃぎするのが特徴的ですね。

「毎回、その話数に登場する給食のメニューに合わせた振り付けを、自分で事前に考えて現場に入ります。給食シーンでは事前に、動きや食べる際のナレーションの言い方も自分で構築していきます。そして、全体の流れをキャストスタッフで確認したあと、まずはナレーションを収録し、それに合わせて芝居をしていきます。前日はほとんど寝ずに、撮影の行程をずっとシミュレーションしているので、肉体的にはもちろん、精神的にもハードな撮影でした」

――――「食」がテーマの本作ですが、市原さんが普段食事をする際に意識していることや、こだわりは？

「高タンパク低カロリーが基本なのですが、やっぱり旬のおいしい食材を生かした料理が大好きです。僕は本当に食べることが好きで、食に対しては惜しみなくお金を注ぐタイプだと思います。子どもの頃からキッチンが遊び場で、母からは『油の中を泳いでいたような子どもだった』と言われるくらいなんです(笑)。小学生くらいから包丁を持たせてもらったり、ピーラーで野菜の皮をむく手伝いをしていたので、料理するのが当たり前になっていました。なので、食や料理が大好きな僕にとって、『おいしい給食』シリーズは、まさに役得の仕事なんです」

――――5月24日(金)からは劇場版最新作『おいしい給食 Road to イカメシ』が公開されますが、映画の見どころを教えてください。

「シーズン3の完結編ともいえる劇場版ですが、映画では子どもたちの演劇が一つの軸になっています。また、新たな人物も登場しますが、本当に人間臭くすてきな方たちが演じてくださっています。彼らを交え、甘利田たちが外食する場面での、大人同士の掛け合いのテンポ感も楽しんでいただきたいです」

撮影＝中川容邦　取材・文＝中村実香　スタイリング＝小野和美　ヘアメーク＝大森裕行(ヴァニテ)