札幌市は今年度初めてのヒグマ対策委員会を開き、去年、市街地近くで出没が相次いだことを受け、カメラの設置など対策を強化する方針を示しました。

会合には、市や各区の担当者、猟友会や警察などの関係機関のほかクマの専門家などが出席しました。9日の会合で市はクマによる被害を防ぐため、移動経路となる場所にカメラを増設するなどの対策強化を確認したほか、重点エリア内での対策方針案として、食料となるクルミの木の伐採や木の周りへの電気柵の設置などを示しました。

札幌市環境共生担当課 坂田一人課長)

「藻岩山ですとか三角山、円山あたりを含む一部のエリアで、ヒグマが定着していることが確認されていますので、とにかくここの軋轢(あつれき)を低減できるように重点的に対策を行っていく」。

札幌では昨年度、過去10年間で最多の227件のクマ出没がありました。今年の傾向について専門家は。

道総研自然環境部長 釣賀一二三部長)

「昨年多数の出没があったような地域で何頭か捕獲されている個体がいるので、その地域ではもしかしたら出没件数が少なくなってくるかなと思います」。

酪農学園大学 佐藤喜和教授)

「目撃が繰り返されているけれども捕獲されていないような個体もいる。西区や手稲区はもう少し注意しないといけない個体が残っている」