パセリといえば料理の彩りに添えられている“飾り”だと思っていませんか? じつはパセリはビタミンやミネラルが豊富な栄養価の高い緑黄色野菜。食べずに残してしまうのはもったいないのです。とはいえ、「独特の風味が苦手」という人も多いかもしれませんね。パセリのおいしい食べ方や、冷蔵、冷凍、乾燥などの保存方法も紹介します。 



【特徴】ちぢれた葉や独特の苦みと香りが特徴





パセリはセリ科の野菜で、原産地は地中海沿岸。古代エジプトやギリシャでも食用とされていた歴史の古いハーブです。



日本へは18世紀始めにオランダから長崎に伝来したことから、パセリの和名は「オランダゼリ」と名付けられました。その後、本格的に栽培されるようになったのは明治から大正時代の頃とされています。



一般的に「パセリ」と呼ばれているのは、葉がちぢれている「ちぢれ葉種(カーリーパセリ)」。鮮やかな緑色でふんわりとした葉、独特の苦みと香りが特徴です。ハウス栽培で年間を通して流通していますが、多く出回るのは3〜4月ごろ。千葉県、長野県、静岡県などが主な産地です。



最近では、葉が平たく、爽やかな香りが特徴の「イタリアンパセリ」も人気。パセリの苦みや口当たりが気になる人でも食べやすい品種です。



【選び方】濃く鮮やかな緑色でツヤのあるものを





葉は濃く鮮やかな緑色でツヤがあり、茎はみずみずしくハリがあるものが良品。また、葉が密集していてちぢれが細かいかもチェックしましょう。



葉が黄色く変色しているものや茎の切り口が乾燥しているものは、鮮度が落ちている可能性があるので避けてください。



【保存】乾燥を防いで冷蔵保存を。冷凍やドライにしても





パセリは乾燥に弱いので、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存を。2〜3日で使い切りましょう。もっと持たせたいときは、水を入れたコップに挿して上からポリ袋をかぶせ、輪ゴムで止めて冷蔵保存を。水をこまめに替えれば1週間程度保存可能です。



パセリは冷凍保存も便利。パセリを水洗いしてペーパータオルで水気を拭き取り、葉と茎を分けます。葉はそのまま、茎は5cm程度の長さに切り、それぞれ冷凍用保存袋に入れて冷凍を。約1カ月保存可能です。



使うときは、葉は凍ったまま保存袋の上から揉むと簡単に砕けて細かくなります。そのままスープやサラダのトッピングにしたり、炒め物に使ったりしましょう。茎はカレーやビーフシチューなどを煮込むときに入れると、風味づけになります。



また、ドライパセリにしても1カ月程度保存できます。みじん切りにしたパセリをペーパータオルを敷いた耐熱皿に広げ、電子レンジでカリカリになるまで3〜5分加熱。粗熱が取れたら、瓶などの密閉容器で保存してください。



【栄養・効果】ビタミンやミネラルが豊富。食欲増進効果も



パセリの可食部100gあたりのエネルギーは34kcal。抗酸化作用のあるβカロテン、美容効果が期待できるビタミンC、丈夫な骨の形成を助けるビタミンK、貧血予防に役立つ鉄、むくみや高血圧予防に効果のあるカリウムなど、ビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。



また、パセリの独特の香りは「アピオール」という香り成分によるもの。アピオールには、食欲増進や口臭予防が期待できます。



【食べ方】卵料理やかき揚げに。パセリソースで大量消費





料理の彩りに使いがちなパセリですが、意外と活用の幅があります。

みじん切りにしてパスタに和えたり、ドレッシングに混ぜたり。オムレツや卵焼き、炒め物、香草焼き、しらすや干しエビと一緒にかき揚げしてもおいしくいただけます。加熱調理すると、苦みが和らぎ食べやすくなりますよ。

大量消費したいときは、パセリソースを作るのがおすすめ。バジルで作るジェノベーゼソースのように、パスタに和えたり肉料理や魚料理にかけたりパンに塗ったりしていただけます。



パセリソースの作り方は、パセリ20g、ニンニク1片、オリーブオイル50ml、塩こしょう適量をミキサーでなめらかになるまで撹拌します。好みでくるみやアーモンドなどのナッツ類、粉チーズ、アンチョビ、レモン汁などを加えても◎。清潔な保存容器に入れれば、冷蔵庫で1週間程度保存できます。



監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。



栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。



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